高知市議会 > 2010-09-14 >
09月14日-02号

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  1. 高知市議会 2010-09-14
    09月14日-02号


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    平成22年第422回 9月定例会 第422回高知市議会定例会会議録第2号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第2号 平成22年9月14日(火曜日)午前10時開議第1 市第 79号 平成22年度高知市一般会計補正予算 市第 80号 平成22年度高知市下水道事業特別会計補正予算 市第 81号 平成22年度高知市中央卸売市場事業特別会計補正予算 市第 82号 平成22年度高知市老人医療事業特別会計補正予算 市第 83号 平成22年度高知市収益事業特別会計補正予算 市第 84号 平成22年度高知市駐車場事業特別会計補正予算 市第 85号 平成22年度高知市国民宿舎運営事業特別会計補正予算 市第 86号 平成22年度高知市へき地診療所事業特別会計補正予算 市第 87号 高知市消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例議案 市第 88号 高知市下水道条例の一部を改正する条例議案 市第 89号 高知市団地下水道条例の一部を改正する条例議案 市第 90号 高知市農業集落排水処理施設条例の一部を改正する条例議案 市第 91号 高知市給水条例の一部を改正する条例議案 市第 92号 高知市知的障害者更生施設条例を廃止する条例制定議案 市第 93号 高知市立農林漁業共同利用施設設置条例の一部を改正する条例議案 市第 94号 高知市都市公園条例の一部を改正する条例議案 市第 95号 高知市過疎地域自立促進計画策定に関する議案 市第 96号 定住自立圏形成協定の締結に関する議案 市第 97号 定住自立圏形成協定の締結に関する議案 市第 98号 定住自立圏形成協定の締結に関する議案 市第 99号 高知市土地開発公社の解散に関する議案 市第100号 知的障害者更生施設の譲与に関する議案 市第101号 土地取得議案 市第102号 高知市立潮江東小学校屋内運動場改築工事請負契約締結議案 市第103号 支払督促の申立てについて 市第104号 調停の申立てについて 市第105号 損害賠償の額を定める議案 市第106号 決算の認定議案 市第107号 決算の認定議案 市第108号 高知市消防手数料条例の一部を改正する条例議案  ────────────────  本日の会議に付した事件日程第1 市第79号議案から市第108号議案まで  ────────────────  出席議員1番 細木  良君  2番 はた  愛君3番 深瀬 裕彦君  4番 長尾 和明君5番 迫  哲郎君  6番 林  昭子君7番 岡崎 邦子君  8番 浜田 りえ君9番 竹内千賀子君  10番 川村 貞夫君11番 下本 文雄君  12番 下元 博司君13番 田鍋  剛君  14番 岡崎  豊君15番 土居ひさし君  16番 上田貢太郎君17番 岡田 泰司君  18番 江口 善子君19番 浜田  拓君  20番 近藤  強君21番 浜辺 影一君  22番 今西  清君23番 西森 美和君  24番 高木  妙君25番 平田 文彦君  26番 野村 栄一君27番 氏原 嗣志君  28番 高橋 正志君29番 山根 堂宏君  30番 和田 勝美君31番 竹村 邦夫君  32番 吉永 哲也君33番 戸田 二郎君  34番 寺内 憲資君35番 中野 城久君  36番 水口 晴雄君37番 西村 和也君  38番 岡崎洋一郎君39番 島崎 利幸君  40番 吉田 哲男君41番 岡村 康良君  42番 福島  明君43番 浜川総一郎君  44番 中澤はま子君  ────────────────  説明のため出席した者      市長      岡崎 誠也君      副市長     吉岡  章君      副市長     安藤 保彦君      財務部長    舛田 郁男君      総務部長    中澤 慎二君      市民協働部長  近藤 昭仁君      健康福祉部長  岡林 敏行君      健康福祉部理事 堀川 俊一君      環境部長    明神 公平君      商工観光部長  古味  勉君      農林水産部長  水口 俊智君      都市建設部長  海治甲太郎君      教育委員長   野本 明美君      教育長     松原 和廣君      水道事業管理者 木藤 善治君      消防局長    高橋 政明君      監査委員    宮本 光教君      財政課長    橋本 和明君  ────────────────  事務局職員出席者      事務局長    関  文雄君      事務局次長   澤田 尚人君      庶務課長    近澤 伸子君      議事調査課長  高瀬 允仁君      庶務課長補佐  永森 芳和君      議事調査課長補佐島田 和子君      秘書係長    上山由加里君      議事係長    山崎 敬造君      委員会係長   尾崎 美世君      調査係長    宮村 裕子君      書記      池上 弘倫君  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午前10時0分開議 ○議長(水口晴雄君) これより本日の会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(水口晴雄君) この際諸般の報告を事務局長からいたします。 ◎事務局長(関文雄君) 御報告いたします。 市長から議案の提出がありました。 市第108号議案でありますが,内容につきましては印刷してお手元に配付してありますので,朗読を省略させていただきます。 以上でございます。  ────────────────              22重財第75号            平成22年9月14日高知市議会議長 水口 晴雄様         高知市長 岡崎 誠也     追加議案の提出について 下記の議案を市議会に追加提出します。         記市第108号 高知市消防手数料条例の一部を改正する条例議案  ~~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 市第79号議案から市第108号議案まで ○議長(水口晴雄君) 日程第1,市第79号議案から市第108号議案までを一括議題といたします。  〔別冊議案参照〕 ○議長(水口晴雄君) 追加提出されました市第108号高知市消防手数料条例の一部を改正する条例議案について,提案理由の説明を求めます。岡崎市長。  〔市長岡崎誠也君登壇〕 ◎市長(岡崎誠也君) ただいま追加提出いたしました市第108号議案につきまして,御説明申し上げます。 本議案は,地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部を改正する政令が9月8日に公布され,10月1日から施行されますことに伴いまして,高知市消防手数料条例の一部を改正するものです。 改正の内容につきましては,消防事務に関する手数料のうち,危険物の屋外タンク貯蔵所のうち一定のものの設置の許可の申請に対する審査等に係る手数料を改定するものであります。 改正政令の公布が開会日前日となり,開会日の提案に間に合わなかったために,本日の提案となりましたが,よろしく御審議の上,適切な御決定を賜りますようお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(水口晴雄君) これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 高木妙議員。  〔高木妙君登壇〕 ◆(高木妙君) おはようございます。公明党の高木妙でございます。第422回市議会定例会に当たり,一問一答方式にて個人質問を行います。初日の1番で個人質問をさせていただく機会に恵まれ,大変緊張しておりますが,明快なる御答弁をどうぞよろしくお願いをいたします。 初めに,弥右衛門防災公園内に仮置きをされておる鉱滓の処理と公園計画についてお伺いをいたします。 鉱滓の処理につきましては,平成26年度末までに完全撤去との答弁を昨年6月議会でいただいており,22年度当初予算では廃砂処分事業費として4,000万円の鉱滓の処分費用が計上されております。しかしながら,現地では,今なお鉱滓の仮置きの様子は変化することなく,処分が進んでいないように見受けられますが,これまでの処分量と残量,そしてこれからの処分スケジュールなど,安全面も含めましてお伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 海治都市建設部長。 ◎都市建設部長(海治甲太郎君) 鉱滓の処分につきましては,平成19年度から開始しておりまして,予定処分量約1万4,000トンに対しまして,21年度末で11.7%の1,636トンの処分を行い,今後,残量としましては1万2,364トンの処分が必要となっております。 また,仮置きの安全性につきましては,平成21年2月,22年2月と毎年4カ所の周辺土壌調査と2カ所の地下水調査を実施しております。結果は,周辺土壌における六価クロム化合物の土壌溶出量につきましては,基準値1リットル当たり0.05ミリグラムに対し,定量下限値,この数値は基準値の10分の1及び分析機器の測定限界値を目安に設定している数値でございますけれども,この定量下限値の0.008ミリグラム未満でございまして,また含有量は1キログラム当たり250ミリグラムの基準値に対して,定量下限値0.5ミリグラム未満であり,土壌汚染はございませんでした。また,地下水におきましても,六価クロム化合物の濃度は,基準値1リットル当たり0.05ミリグラムに対しまして,定量下限値の0.008ミリグラム未満でありまして,地下水の汚染もなく,安全であることを確認しております。 そして,3点目のスケジュールでございますけれども,現在,リサイクル,管理型処分場での処分を含めまして,県内外の業者から処理方法について幾つかの提案があっております。安全性などの確認作業に時間を要しておりますけれども,10月をめどに委託先を決定しまして,平成22年度末までに今年度分の処理を完了したいと考えております。 以上でございます。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) まだ約1万3,000トンが残っておる状態の中で,土壌汚染がないということで一定安全な結果が出て安心をいたしました。どうか早期に契約を整えて今年度の予定されている処分をよろしくお願いいたします。 次に,公園計画についてお伺いをいたします。 公園計画は,平成22年度中に第1期工事の認可を取得する予定であると伺っております。その提出書類には当初の予定になかった弓道場の設置が併記されておりますが,このことについて,経緯も含め今後の公園整備について吉岡副市長にお伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 吉岡副市長。 ◎副市長(吉岡章君) 弥右衛門公園の計画への弓道場の配置につきましては,平成25年に高知県で開催されますねんりんピック全国健康福祉祭に向けまして,高知市長に対し弓道場の用地を高知市に求める請願書が20年12月に高知県弓道連盟より提出されたことが発端となっております。 このことを受けまして,平成21年度から県,市の関係機関等において協議を行い,県が施設の整備を,本市が用地を確保することを基本とし,弓道場が教育,スポーツ面だけでなく,非常時には災害避難場所としての活用も可能であること等から,防災公園と位置づけている弥右衛門公園に受け入れる方向で県市間で検討を進めてまいりました。 この弓道場の建設につきましては,整備主体が県でありますことから,市として情報を収集し,県と調整しながら,一定の県の構想,計画が定まりましたらしかるべき段階で公表を考えておりましたところ,先般,8月24日に開催されました第26回全国健康福祉祭高知大会基本構想策定委員会で高知市での開催案が示されましたので,このことを公表のタイミングとしたものでございます。 次に,今後の公園の整備についてですが,本年度中に事業認可を取得し,平成23年度に基本設計及び実施設計を行い,住民参加のワークショップを経て,同年度内に公園の北側を第1期工事として事業着手し,24年度末完成を目指してまいりたいと考えております。また,第2期となる公園の南側の工事は,鉱滓処理の進捗状況にもよりますが,現在のところ26年度以降の着手を予定しているところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 副市長,済いません,再度確認ですけれども,その県立の弓道場を弥右衛門公園内に設置するということは,これはもう決定したということですね。それとあわせて,緊急避難ができるような設備というものは公園内にほかに建設する予定があるのでしょうか。この2点確認をさせてください。 ○議長(水口晴雄君) 吉岡副市長。 ◎副市長(吉岡章君) 先ほども申しましたように,高知県弓道連盟より請願が高知市にありまして,それを受けまして,これは高知県知事にもあったわけなんですけれども,県,市で協議した結果,用地確保は高知市ということで,弥右衛門公園で整備をしてまいりたいというふうに決定をいたしました。 当然この公園整備は,防災公園でございますので,弓道場の中でトイレの活用,それから駐車場の活用,また施設等を避難場所として使っていただくと同時に,また第1期整備におきましてはヘリポート等の整備も考えているところでございます。なお,第2期等につきましても,ワークショップ等を通じまして防災面での施設整備を検討してまいりたいと,そのように考えております。
    ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 私は,市川市の防災公園を見学してまいりました。そこには,ヘリポートや非常用トイレ,そして発電装置,非常用貯水槽などのたぐいと,管理事務所と備蓄倉庫,そして急病診療所,消防出張所などが備わってすぐに連携がとれるような,そういった防災公園ができておりました。これこそが本当に防災公園の整備だと考えます。 翻って,防災公園内に弓道場を建設するとは余りにもとっぴな発想であるかのように,防災公園の建設との整合性を見出すことができませんでした。しかし,今お話を伺いまして,本当に防災公園の用地の中に仮にそういった弓道場を設置するのであれば,防災公園としての機能に支障のない整備でなくてはならないと思います。 そこで,総務部長にお伺いをしたいのですけれども,この場所に弓道場を設置することが,今後,ただいまお話がありましたヘリポートや防災公園機能を阻害しない立地や構造となっているのか,専門的な見地からの御意見をお伺いしたいと思います。 ○議長(水口晴雄君) 中澤総務部長。 ◎総務部長(中澤慎二君) 弥右衛門公園は4ヘクタールの広さを有し,災害時には弥右衛門地区を中心に多くの避難者を受け入れることができ,また高速道路や市街地幹線道路に接し,災害支援病院であります高知赤十字病院や近森病院も比較的近くにありますことから,先ほど申し上げましたように,災害時の臨時ヘリポートや6,000人が3日間必要とする飲料水を確保できる耐震性貯水槽を備えた広域の防災拠点として整備を進める予定となっております。 弓道場を設置する場合におきましても,このような防災機能を阻害してはいけませんので,事前に高知県の地震・防災課,消防政策課,消防防災航空隊,そして本市の消防局などと協議を重ねました上で現在の計画位置となっておりまして,また県に対しましては,同施設を緊急時の避難場所としても活用できますように整備の御協力をお願いいたしておるところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) この質問の最後に市長にお伺いをいたします。 この公園用地については,鉱滓の仮置きも公園計画も住民の知らないところで水面下で進んできました。近年パブリックコメントが重視される中,いつも計画ありきで事が進み,後から地元に知らされるような行政のあり方は改めなければならないと思います。市長,地域の皆様方は,よしんば弓道場設置を容認するためには,先ほどから申しております防災公園機能を決して阻害しない建設であるということ,また弓道場を緊急避難地として使用できるように県とお約束をしていただくこと,また鉱滓撤去につきましては,平成25年度ねんりんピックが開催のときにあわせて完全に撤去をしていただきたいこと,そして周辺の安全対策をお願いしたいこと,地域説明会を実施していただきたいこと等々の願いを持っておられます。 私は,この弓道場の設置に異議を唱えているのではありません。これまでのいきさつも踏まえて,真摯な対応を望み,市長にお伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 弓道場施設の設置につきましては,先ほども副市長がお答えを申し上げましたが,平成25年開催のねんりんピックに向けまして,県が弓道施設を主体的に整備をするという方針が一定定まりましたので,私たちは,県側の公表のタイミングということをちょっと待っておりましたので,そういう関係で地元への御説明が遅くなっているということにつきましては,お許しをいただきたいというふうにも思うところでございます。 今回提案されました弓道場施設につきましては,先ほどの御質問に段々出てきましたように弥右衛門におけます防災時の機能をあわせ持つことが可能でありますし,その機能を県の施設に付加を,一緒にくっつけていただくようにということもお願いを申し上げておりまして,そのことの具体的な協議も今進めているところでございます。 弓道場の設置につきましては,体育,文化面におきましても,非常に弓道が盛んな高知市での有益なスポーツ施設にもなるということも考えております。弓道場が,その地域にとっても少しでも有益な施設であってほしいという願いを,地域からもお聞きをしているところでもございますので,例えば集会所とか,そして防災時の避難施設とか,さまざまな形で地域も活用できるようにということを県にも要望しているところでございます。県側にも一定の御理解をいただいてきているところでございますが,具体的な協議につきましてはさらに詰めてまいりたいと思っているところでございます。 また,後段でいただきました,例えば鉱滓の処分,地域に対しましての具体的な説明会など,ただいま御質問いただきました御要望の趣旨に沿った形での対応をしてまいりたいと思いますので,今後ともよろしくお願いを申し上げます。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) ありがとうございます。どうかよろしくお願いをいたします。 それでは,次の質問に入ります。 初めに,県市一体型の図書館構想についてですけれども,いよいよ合併特例債の活用期限を前に,かねてより懸案事項であった図書館構想が知事と市長の合意により進んでおります。市長の提案理由説明の中にもこの図書館構想についてお話がございましたけれども,合築というそのイメージをいま一度確認したいと思いますので,私によくわかるように,申しわけございませんが,説明をお願いしたいところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 合築のイメージでございますが,さまざまな御論議がありますとおり,市民図書館と県立図書館にはそれぞれの役割がございます。その役割分担を明確にした上で,それぞれの機能を充実させるとともに,重複する機能や,また整理統合できる機能も一部あるというふうに考えておりますので,利用者でございます県民,市民の利便性をまず高めるということを第一の観点といたしまして,あわせまして効率性も兼ね備えた施設として追手前小学校に建設を目指そうとするものでございます。 役割分担を少し御説明申し上げますが,県立の図書館につきましては,知識,知の集積と県内の各市町村立の図書館等を支援する機能,また県民の生涯学習の拠点として人づくりを支えていく,そういう機能が県立図書館には求められているところでございます。また,市立市民図書館につきましては,一人でも多くの市民の皆様方に親しまれ,利用される図書館をネットワーク化させ,さらに発展をさせ,また本館につきましては中心館として,総合的な図書サービスと情報提供のセンターの役割を果たしてまいりたいと考えているところでございます。 今回,一体型整備につきましては,例えば建物一つにしましても,建物の中で分離型,もしくは機能をかなり統合した一体型整備,それぞれワーキンググループの中でも論議をしておりますが,やはり建物が1つになるということのメリットを生かしてできるだけ機能を一体的に整備していこうということが報告書に記載をされております。それぞれのカウンターを統一し,できるだけ1枚のカードでさまざまなサービスが受けられるようにということが基本になっておりますので,県民,市民の利便性は相当高まってくると認識をしておりまして,また高知県全体の読書環境の向上にも必ず寄与できる施設になるものということを目指してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 非常に高邁な理念のもとの御発想ですので,なかなかちょっと整理をしないとわからないと思うんですけれども,場所は追手前小学校の跡地。そこに建物を1つ建てる。その中に県立図書館と市民図書館と2つの図書館がこの1つの建物の中に入るということはわかりました。また,その運営方法としては,役割を完全にこちらのように分離をする形と,そして今市長がおっしゃられた両方の共通する部分を機能統合して,整理をして運営するというふうにとらえました。これで間違いないでしょうか。 そこで,進んでいきたいのですけれども,具体的にお伺いをいたしますが,今市長のおっしゃられた一体型,機能を統合した,ここの部分を一体型にして統合して進めていくという中では,では教育長,館長の配置はどうなるのでしょうか。館のネーミングはどうなるんでしょうか。カウンターの業務の人員配置等について具体的に教えてください。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 館長につきましては,市民図書館,県立図書館それぞれの役割分担というふうなこともありますので,これはそれぞれ配置する予定でございます。 ネーミングにつきましては,現段階では市民図書館,県立図書館ともそれぞれ設置条例を設定していくという考え方でございますので,施設全体として愛称のようなものをつけるかどうか,こういった問題については県と協議をしてまいりたいというふうに思います。 また,カウンターの業務についての人員配置につきましては,新しい図書館を整備いたしますと少なくとも2倍,3倍程度の利用者が増大すると言われているわけでございます。このために自動貸出機等の効率化を図りながら,業務量に対応した職員を配置したいというふうに考えております。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) それでは,館長を2人置いていただけるということで,時間がないので次に行きますが,予算案に上がっている検討委員会について,その設置をお伺いいたします。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 基本構想の検討でございますけれども,今回の施設は,図書館と点字図書館,子ども科学図書館の設置が想定されているわけでございます。そのために,全体調整をする全体会と各施設の基本構想を検討する分科会という形式を考えております。 また,メンバー構成でございますけれども,県市合同の新たな形の図書館でございますので,図書館行政にかかわる専門家,大学関係者,市町村,経済界,そして利用者,こういった方々を予定しております。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 1つ御要望をさせていただきたいんですけれども,全体会の下に分科会ができると,その分科会の中に各団体等も入らせていただくようになると思うんですけれども,こちらから指名をするのではなく,団体から推薦を受けられることもできるような,そういった体制もひとつ考慮をしていただくことをお願いしておきます。 次に行きます。 できるなら単独整備を望みたいという,そういう市民の方も多いと思いますけれども,どうして県市一体の図書館を合築により建設されるのか,そこについてお伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 県市合同での合築の整備でございますが,それぞれ単独で整備するよりも,カウンター周り,また書庫ですね,いろんなところで有効に使うことができるということもございまして,その部分で有効に予算を削減できる部分を,さらなるいろんな図書サービスに充てていこうという観点で合築を目指しているところでもございます。より利便性が高く,より効率性の高い図書館サービスというものを整備していこうということを考えているところでございます。 面積を有効に使うことによりまして,知事もさまざまな形でおっしゃっておりますけれども,県立図書館の図書購入費は大体2,500万円ぐらいしか今買っておりませんが,今予算を増額して本を買いましても入れる書庫がないということでもございます。新しい合築の図書館になりますと書庫も四国最大の書庫ということを目指しておりますので,さまざまな部分で予算を効率化できた部分を,図書費に充当することができるというメリットもあるというふうに考えているところでございます。 それと,もう一点でございますが,最近の図書館は,図書を貸し出すという機能以外にもう一つ大事な機能を持っております。これまでの図書を貸し出すというサービスのほかに,住民の皆様方がさまざまな課題や問題を解決したいという問題を持っておられます。例えば病気の問題とか,子育ての問題とか,そういう問題解決を支援できる糸口になるというのが今の図書館の重要な役割でございます。これは,最近の新しい図書館ではさまざまな取り組みが行われておりまして,例えば医療に関しては,どういう薬がその病気に効くのかどうか,新たに病気になった場合にその病気はどういう病気なのか,また進んでいるところではどういうところに専門医がいるかどうかというところまでバックアップしている図書館もございます。 問題解決型の図書館というのが一つの方向性でもございますので,今回の合築というさまざまなメリットを生かしまして,そういう機能もさらに充実していきたいと考えているところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 市長,いみじくも我が意を得たりというところを言っていただいて本当にうれしい限りでございます。メリットの一つに問題解決という部分,またサービスの向上という部分,削減できた予算を投入していくというところ,本当にそのとおりだと思います。経費削減をメーンに考えるとこの壮大な構想は成功しないと,私もそのように思います。 これまでに私は9館の図書館を訪問してまいりましたけれども,どこの図書館も人を呼び集めるというそういう仕掛けがされておりました。例えば,長崎市立図書館では,システムに多額の経費を投入しています。建設費は39億円でありましたけれども,システム開発についての予算は教えていただけませんでしたが,検索から配本までわずか3分で奥の倉庫から本が届く。また,新潟の図書館では,地元の漫画家の作品を漫画コーナーとして設置をしておる。また,講演会やシアター,そういったものが上映できる多目的ホールがある。本当に施設に対しても予算を入れ,いろんな工夫をしてさまざまな利活用ができている。そういう図書館をたくさん見てまいりました。 このたびのこの県市一体型図書館の構想は,単なる老朽化した,手狭になった,そういった図書館を新設しようという単純な計画ではなく,本市の存亡をかける重大な取り組みを県も市も一体となって行うものであるというふうに私はとらえております。そこで,先ほど市長がおっしゃられました削減された財源を設備投資につぎ込むというぐらいの気迫で図書館建設に臨まなければ,東西軸の構想も成功がないように私は思うところです。 近代的な図書館というのは,どこでも相当な設備投資を行って,本当に個々の人々を満足させる,そういうサービスを行っております。そういった意味で,先ほどの市長の御答弁,本当に貴重な御意見だなと思いますので,そのとおり実行していただけることを望んでおります。 そこで,お伺いをいたしますけれども,それでは開館後の予算の確保や今後想定されている建設事業費等について,市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) これから具体のそれぞれの基本構想の検討に入るわけでございますので,もちろんのこと全部が固まっているわけではございません。新たな図書館の開館後につきましては,当然利用者の方々もふえるということもございますし,先ほど申し上げましたように問題解決型の支援をする図書館ということもかなり前面に出てまいりますので,当然にして新しい図書館につきましては,その必要な予算を県市合同でそれぞれ組んでいくという必要はあるというふうに考えております。 それで,施設整備でございますが,現在の段階ではまだ確定ではございませんので,ワーキングチームの報告書の中から報告をさせていただきます。先進図書館の事例などを参考にしまして,それぞれが単独で整備する場合には,県立図書館は約53億円の想定,また市民図書館は約38億円の想定ということになりまして,合わせますと91億円ぐらいということになっておりますが,一体型で整備をした場合には,効率的なカウンター周り,また書庫の効率的な活用などによりまして面積を削減することによりまして22億円ぐらい削減が可能であるという報告になっております。 そうしますと70億円前後ということになりますが,システムの統合を行う必要がございますので,県立,市立の今後1枚のカードで借りられるようにということで,システム統合が大体4億円前後というふうに想定をされておりますので,概算でございますが,73億から74億円程度がそれぞれ合築で想定されているということになっております。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) そしたら次に,駐車場についてお考えをお伺いします。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 県市の新図書館につきましては,県市合同のワーキンググループの最終報告書で合築による一体的整備により,延べ床面積1万3,000平方メートル程度の規模を一たん想定しているところでございます。仮にこの規模の図書館で駐車場を勘案した場合,本市の建築物における駐車施設の附置に関する条例から約25台ということになっております。これに障害のある方々の専用の駐車スペースも確保していく必要があるわけでございます。 駐車場のあり方等につきましては,県市の新図書館の機能強化の観点から大規模な駐車場整備を望む御意見もあるところなんですけれども,新たに専用の駐車場を建設するとした場合のコスト面や,また新図書館の立地を想定しております追手前小学校の敷地周辺には民間等の駐車場も多数ありますことから,その収容能力などさまざまな要素を総合的に検討し判断していかなければならないというふうに考えております。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 先ほども申しました9館の図書館に行ってまいりまして,長崎市には64台の駐車場,30分無料だったと思うんですけれども,諫早市には92台,これは無料です。それから,新潟は100台,これも無料です。浦安市は庁舎と一緒の併用で140台。やっぱりどこの施設もきちっと駐車場の設備をとっておりますので,周辺にある云々ではなくて,ここはもう一度検討をお願いしたいと要望しておきます。 次の質問ですけれども,それぞれの図書館では目的外使用の供用がされておりました。本市ではどのようなお考えでしょうか。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 御意見をいただきました今日の新しい図書館では,カウンターと閲覧席だけではなくて,展示コーナーとか,ソファーとかベンチを効果的に配置することなどによりまして,読書環境にもさまざまな工夫を凝らしておりますが,さらに喫茶室等を設置することによりまして,利用者の読書の場に加え,館内に憩いの場を提供している図書館も数多く見られるところでございます。 新しい県市の図書館におきましても,スペース的な課題もあるとは思いますが,喫茶あるいはレストラン,関連グッズのショップなどの設置についても検討すべきであるというふうに考えております。今後,近隣の商店街との関係も配慮しながら,慎重に検討してまいりたいというふうに思っております。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 時間が押してきましたので,機能論についてお伺いをしようと思いましたけれども,これは公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準に照らして,多分御答弁はそこに沿ったことが想定されますので,ちょっとお伺いをしたいんですけれども。 一連の報道の中でこの合築というものには,前例がないというお話もあるわけですけれども,前例のない難しいこういう合築をやろうとする市長の取り組みですね,これは本当にもろもろの課題が多いと思います。県,市の職員の権限の違いや,また判断,そして指揮命令等の違い,問題解決の手法など,想定以上のさまざまな摩擦が起こってきても不思議ではない取り組みをあえてやろうとされる。そこには不断の市長の御決意があるかのように思います。 しかし,この県市一体型の図書館構想が成功すれば,これは間違いなく公務員改革の最たるものになり,大きな高知の財産になると,私はそのように思います。だけども,そこで一番大切なことは,合築の決断をした市長御本人がどこまでも責任を持って,その政治姿勢と手腕にかかってくると私は思うわけですが,市長,平成26年に予定される新図書館のテープカットを市長として行ってくださるでしょうか,お伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 御質問の最後にありました次期のことは,後援会の方々とはまだお話をしておりませんので今ちょっとお話をすることはできませんが,全国初の合築の取り組みということの考え方でございますが,そこを少し述べさせていただきたいと思います。 私たちが誇ります市民図書館は,本当に戦後日本の図書館界をリードしてまいりました。余り知られておりませんけれども,例えば当時の図書館はすべて備品でありまして,本を図書館の外へ持ち出すことはできませんでした。それを図書館の外に,館外に貸し出すということは全国の中でもすごく早い段階で貸し出しをしておりますし,また図書館が林間学校や海浜学校を主催しまして,そこに本を持ち込んで子供たちと一緒に本を読む,こういうのも全国初の取り組みでございました。こういうように市民図書館は,一時期日本の図書館をリードしたパイオニアでございました。 我々も,この当時に全国初という取り組みを市立図書館はしてきた歴史的な経緯がございますので,今回我々も21世紀型のいわゆる合築という形での新たな図書館像を目指していこうということで知事とお話を申し上げまして,その方向性でいい図書館をつくっていこうという思いで,今基本構想に入ろうとしているところでございます。その点は,御理解を賜りたいというふうに思うところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) どうか最後までしっかりとやり上げていただきたいと思います。 もう一点,点字図書館についてお伺いをいたします。 全国的にも先駆的な取り組みをしてきた点字図書館を,このたびの図書館構想ではどのように位置づけて考えられているのか。 また,他都市では点字図書館の多目的な利便性にかんがみて,障害者支援センターとして機能の充実が図られておりますけれども,本市での今後の取り組みについてお伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 岡林健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(岡林敏行君) 点字図書館は,市民図書館から視覚障害者サービスの充実を図るために設置された経過がございまして,今回の新図書館の合築構想に点字図書館を含むことは,図書館の検討を図る上で大変重要であると考えています。 点字図書館につきましては,視覚障害者の情報提供施設としてそういったサービス,あるいは点訳,音訳の複製図書の充実を図ること,ボランティアの育成など本来の機能の充実を図ることが大変必要でございます。ことしの著作権法の改正によりまして,公立図書館での点訳,音訳図書の作成や貸し出しが可能となり,県立図書館,市民図書館との連携はますます重要であると考えており,さらに他の公立図書館との連携も検討していく必要がございます。また,障害者を取り巻く社会状況は変化が著しく,その内容を視覚障害者自身が情報として得ることが困難な場合も多く,情報提供の拠点として,点字図書館はその役目を担うべき施設でもございます。これからの点字図書館として,情報発信機能の充実は必要なものと考えておりまして,先ほどの情報センターの課題も含めまして,設置予定の検討委員会での具体的な検討を図ってまいります。 以上です。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) どうぞよろしくお願いいたします。 この県市一体型の図書館が合併特例債の期限を前提に考えるのであれば,忘れてはならないのが下知図書館の改築です。下知図書館は,財政難を理由に建設費のめどが立たず,その建設を凍結しているものですけれども,財源を確保し,財政が好転したら再考するというものでありました。 地域の防災機能も持ち合わせる施設として早期改築を待ち望む声に対し,所管部局はどのようなお考えをされていますでしょうか,お伺いいたします。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 下知図書館につきましては,御指摘のとおり,非常に厳しい財政状況の中で建設を凍結,先送りをさせていただいているものなんですけれども,国の補助やそれに相当する財源,有利な起債等があれば,また財政状況が想定以上に好転し一般財源に余裕が生じれば,建設の検討に入りたいというふうに考えております。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) ありがとうございます。 それで,本市の基金残高の一覧を見ますと,非常にうれしかったんですけれども,昨年3月補正で積み立てた地域活性化公共投資基金が6億8,500万円ほどあります。この基金の活用期限と使途基準について財務部長にお伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 舛田財務部長。 ◎財務部長(舛田郁男君) 活用期限は平成23年度までとされています。その使途でございますが,起債発行に適する投資事業とされております。本市といたしましては,22年度または23年度の投資的経費のうち,後年度交付税措置がないとか少ない事業,あるいは起債に適する事業であるものの充当率が低く一般財源が多く必要となるものに活用したいと,このように考えております。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 財務部長,起債なんですけれど,後の交付税の裏づけとかがないようなものというのは,図書館はまさにそうですよね。 ○議長(水口晴雄君) 舛田財務部長。 ◎財務部長(舛田郁男君) そのとおりでございます。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) それでは,仮に下知図書館の改築にこの基金を活用するとなると,どのようなスケジュールになるのですか。 ○議長(水口晴雄君) 舛田財務部長。 ◎財務部長(舛田郁男君) 地域の皆様方の御了解が得られるという前提で,仮に12月補正予算で基本・実施設計費用をお認めいただき,来年早々に発注した場合には,平成24年1月から解体工事を行いつつ,24年3月議会に請負契約締結議案,同年4月から工事着手いたしまして,約10カ月の工期で12月に竣工というスケジュールになってまいります。 竣工が平成24年度になりますので,整備費用全額について基金を活用することはできませんが,契約業者が23年度に前払い金を請求,受領していただいた場合にはこれに基金を充当することが可能となります。前払い金は契約金額の40%ですので,このスケジュールで進行しました場合には,設計,解体費に加えて工事請負費の40%の財源が確保できるということにはなります。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) じゃあ40%でも使用が可能ということですよね。非常にうれしいですよね,教育長。あったら使いたいですよね。たしか建築予算は4億円ぐらいだったと思います。教育長もうなずいているし,そして議長もにこにことしていただいているんですけれども。 市長,ちょっとお伺いをしたいんですけれども,このたびの決算を見ますと決して油断のできる状況ではありません。交付税の増額や下水道料金の引き上げなど市民負担もお願いし,職員の給与カットや議会費の削減等々の市長の取り組みによりまして財政健全化法に基づく指標にも見られるようになりました。御承知のように,下知図書館の改築につきましては,図書館の建てかえだけではなく,地域防災においても一時的な避難場所の役割を持つ施設として構想がされておりました。 市長は常々,市民の暮らしと安全を守るために政治判断を下されております。平成22年度当初予算でも,東西軸,龍馬伝関連の予算などを含めて2億7,000万円余りの新規事業,またこれまでの計画にもなかったたかじょう西庁舎の供用に係る経費2,854万円などを6月補正にまで上げて,市民生活の向上にと経済の浮上のために取り組んでおられます。 市長,大変僣越ではございますが,市長も御存じのように図書館建設に活用できる公的資金は皆無と言っていいほどありません。せっかくの地域活性化公共投資基金を充当して改築していただくことをこの機会にぜひお考えいただけないものか,地域の皆様方の熱い思いの代弁者としてお伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 下知地域は,御承知のとおり公共施設の少ない地域でもございまして,また次の地震では津波も来るということも想定をされておりまして,下知図書館はその避難場所も兼ねておりますので,その必要性は理解をしているところでございます。 御質問にあります地域活性化公共投資基金につきましては,来年度までが活用期限ということになっておりますので,仮に下知図書館を実施するということになりますと,今後基本設計,実施設計,そして工事ということになりますので,やはり通常で考えますと工期が足らないということが課題としてあるわけでございます。 全体としての今後の本市の財政収支状況を見きわめながら,きょうも傍聴されておりますが,地域のそれぞれの皆様方の御意見も伺いながら,継続して検討してまいりたいと思いますので,議会の御意見もいただきながらその方針を決めていきたいと思いますので,御論議をお願いしたいというふうに思います。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 工程的には非常に厳しいものも予想されますけれども,でもできるところまで,4割のところという部分まではしっかりと踏み込んで,今後の検討をどうぞよろしくお願いをしたいと思います。 最後に,子宮頸がん予防ワクチンについてお伺いをいたします。 公明党は,女性特有のがんの中でも,特に若い女性の罹患率が高いとされる子宮頸がんを撲滅するために,これまでも助成制度創設や検診率の向上などをお訴えしてまいりました。8月26日には岡崎市長に,また8月30日には尾崎高知県知事に,これらの事案に早急に対応していただくために独自の助成制度の創設をお願いして,要望書を提出いたしました。席上,尾崎知事は,これまでのがん対策や子宮頸がんの公明党の取り組みに対して,命にかかわる実質的なことであり,私も大賛成で,国においてこの動きが一気に加速したのは公明党の見識と力だと認識をしていますと。また,国の動向を見ながら,県としても前に進むよう全力で対応していくとの評価をされました。 このような子宮頸がんの一連の取り組みに対し,市長はどのような御認識をお持ちでしょうか,お伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 御質問のありました子宮頸がんの予防ワクチンでございますが,平成21年10月に薬事承認されまして,12月から販売が開始され,国内でも使用可能となっております。全国では,まだ国の補助制度が確立をしておりませんので,約1,700の自治体のうち1割弱が単独で既に実施をされています。 今回の国の予算組み等を含めまして,御質問のございました公明党の皆様方にはさまざまな形で取り組みを深められておりまして,そのことが早期のいろんな活動につながっていると考えているところでございます。本年5月には,子宮頸がん予防ワクチンへの公費助成等を織り込みました法案を公明党の皆様方が議員立法で国会に提出をされ,7月30日の臨時国会では与野党に同法案の共同提案を呼びかけるなど,活発な御活動をしておられますことに敬意を表するところでございます。 女性の健康支援として,平成21年度からさまざまな形で国の補助制度の実現に取り組まれております。また,女性特有のがん検診推進事業の制度化につきましても,党を挙げての皆様方の大きな支援が非常に有効的な形になっているというふうに感じているところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) このたびの平成23年度の概算要求でも,子宮頸がんを予防するワクチン接種の助成事業を新たに設け,約150億円が計上されております。しかし,12歳の女の子へのワクチン接種に必要な費用は210億円でございますので,厚生労働省が考えている150億円でありますと市町村負担も必要です。22年6月議会では市単での助成は困難だとの御答弁をいただきましたけれども,この国の予算が成立すれば本市でも助成の創設をお約束していただけますでしょうか,市長にお伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 御指摘いただきました内容につきましては,厚生労働省が150億円ということで概算要求に織り込んでいるところでございます。これから査定がありますので,どの程度実現をされるかということは見きわめてまいらなければなりませんが,国の想定では,実施をします市町村に3分の1相当程度の助成ということが考えられているところでございます。 本市で実施のワクチンの投与率がございますので,概算でございますが6,000万円程度が必要になるのではないかというふうに考えておりますが,本市の財政状況も勘案をしながら,国の補助制度ができましたら,制度化に向けた検討を前向きにしてまいらなければならないと考えているところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) よろしくお願いをいたします。 そこで,接種に当たり,子宮頸がん予防ワクチンの正しい知識を持つことが大切であると思います。ワクチンの効用,心配される副作用等,万が一の補償についてお伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 堀川健康福祉部理事。 ◎健康福祉部理事(堀川俊一君) 子宮頸がんは,発がん性ヒトパピローマウイルスの感染が主な原因だと考えられています。発がん性ヒトパピローマウイルスには現在15種類が知られていますが,今回国内で発売されたワクチンは,子宮頸がんの6割から7割の原因とされているヒトパピローマウイルス16型及び18型の感染を防ぐものです。ヒトパピローマウイルスが性交渉による感染とされることから,10代前半にワクチン接種して感染を防ぐことが必要とされています。接種は,初回,1カ月後,6カ月後の3回の接種が必要です。 有効性についてですが,このワクチンの有効性評価が海外の15から25歳,1万8,644人を対象に行われ,前がん病変に対して100%近い予防効果が認められたとされています。また,世界保健機構,WHOは,2009年4月に発展途上国を含めた世界全体でのヒトパピローマウイルスワクチンの使用を推奨し,国のワクチン接種プログラムに導入すること及びその財政的基盤をつくることの重要性を強調しています。 次に,副反応についてですが,我が国での臨床試験では対象群との比較において,注射部位での疼痛,発赤,腫脹や関節痛,疲労感,頭痛,筋肉痛等が報告されていますが,重篤な副作用は認められないとされています。 最後に,健康被害に対する補償についてのお尋ねですが,このワクチン接種は予防接種法に位置づけられていないことから,予防接種法に基づく健康被害救済制度の適用とはなりませんので,現時点では独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく救済を請求することになります。 なお,この制度の開始に際しては,全国市長会の予防接種事故賠償補償保険の適用が可能となるかどうかの検討が必要だと考えております。また,国から実施主体である市町村に対して,補償についての何らかの指示も想定されますが,現段階では明らかではありません。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 副作用については重篤な報告はされていないということを承知しました。また,今後の補償問題についての検討等をどうぞよろしくお願いをいたします。 接種者が低年齢でありますので,次に小学校6年生から中学3年生までの子供たちに対しては,子宮頸がんについての知識の普及が大切であると思います。今学校でも行われております感染症や,そして体の発達の授業の中で,健康教育という視点でワクチンで身を守るということをしっかり教えていただいて,15歳までにワクチン接種,20歳になったら検診をということをしっかり学校で教えていただきたいと思うんですけれども,学校での取り組みについてお伺いいたします。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 小中学校における健康教育は,命にかかわる大変重要な教育だというふうに認識をいたしております。中でも子宮頸がん予防ワクチンについての児童・生徒への指導につきましては,厚生労働省においてその検討もされているというふうにお聞きしておりますので,今後国の動向を見ながら,指導方法についても検討していきたいというふうに思っております。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 現場の先生方からは,学校の中で教えていくことは可能であるという御意見をいただいておりますので,ぜひ教育委員会としてしっかりとした取り組みパターンを示していただいて,お願いをしたいと思います。要望しておきます。 そしてもう一点,保護者に対する啓発も非常に大切でありますので,ぜひそういった講演会を開催していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。 ○議長(水口晴雄君) 堀川健康福祉部理事。 ◎健康福祉部理事(堀川俊一君) このワクチン接種を事業として実施することになりましたら,ワクチン接種の意義や副反応等について,接種対象者や保護者の理解と正しい知識の普及が必要であると考えておりますので,他市町村の先進事例等を研究いたしまして効果的な啓発に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 市長にお伺いをいたしますが,子宮頸がんの撲滅のためには検診が必要であります。さきにも触れましたけれども,子宮頸がんは予防できる唯一のがんと言われております。ワクチンと検診を併用すれば100%発見されるものでありますので,どうか今行っております乳がん,子宮頸がんの無料クーポン券の継続した取り組みですね,それを来年度も行っていただきたいと思いますけれども,それとともに休日の検診も可能になるような取り組みをお願いしたいのですが,御所見をお伺いいたします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) がん検診の推進でございますが,昨年度から国の補助事業として実施をしておりますが,このことによりまして全受診者数の増加も図られまして,特に新しい受診者の方々の増加に効果があっております。厚生労働省は平成23年度の概算要求にも継続した予算要求をしておりますので,高知市としましても,国の予算化を踏まえて,実施の方向で検討してまいりたいと思っております。 また,受診機会拡大のための休日検診についてでございますが,今議会で補正予算の提案をさせていただいております働き盛り世代のがん検診受診促進事業にあわせまして,本年度中に集団検診としまして日曜検診の実施とその回数の増を予定しておりますので,今後とも検診につきましては積極的に推進をしてまいりたいと思うところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) はい,ありがとうございます。 これまで子宮頸がん予防ワクチンの接種を先進的に取り組んできた自治体は,悪質なデマ宣伝,そして任意接種における事故対策,低年齢接種における啓発の問題などを克服しながら,首長の政治的な判断によりその制度が確立をされてきました。 本市でも,きょう御答弁をいただきましたように平成23年度当初予算に計上されることを願っております。そのためには,現政権は公約をたがえないように概算要求を確保することに努めていただきたい,そのことを最後に要求いたしまして,私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。  〔吉永哲也君登壇〕 ◆(吉永哲也君) 新風クラブの吉永哲也でございます。第422回高知市議会9月定例会に当たり,私見を交えながら,まず最初に環境問題,続けてコミュニティの再構築,最後に財政問題と,この順番で質問をさせていただきますので,よろしくお願いをいたします。 私の質問に対する執行部の皆さんの御答弁は,日ごろ職員さんが本当に一生懸命努力をして市民の皆さんのために仕事をされていると,そのことを発表できる大変よい機会だと私は思っております。市民の皆さんは,職員さんが一生懸命努力をしているんですが,なかなかそれが実際目に見えてこないという部分があると思いますが,そういう意味でも執行部の御答弁は日ごろの成果を発表する数少ない機会だと思いますので,どうか正確に御答弁をしていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。 まず,ごみの減量についてお伺いをいたします。 市長は常々,市民に対しても,議会に対しても,ごみ減量の最も有効な手段はごみ袋の有料化であると説明をされてこられたはずです。しかし,ことし3月議会の岡田議員の質問に対して当時の担当部長さんは,水切りを十分にすればごみ減量の目標は達成できるという答弁をされたと思います。市長と当時の担当部長さんの答弁とが大分ニュアンスが私は違うように感じますが,今現在環境部としてそのことについてどのように考えられておるか,お聞かせをいただきたいと思います。 ○議長(水口晴雄君) 明神環境部長。 ◎環境部長(明神公平君) 現在,ごみの減量目標値といたしまして,市民1人1日当たり資源を除く家庭ごみの量を,平成27年度までの間に約50グラム減量いたしまして536グラム以下とすることとしております。台所ごみの水切りにつきましては,可燃ごみの約40%が水分であるといったことから,効果的なごみ減量策としてこれまでも繰り返しお願いしてきておりますが,完璧にこれを実施するには一定限界もあろうかと思われるところでございます。 ごみ処理を有料化した場合は,経済的インセンティブが働くことによりまして減量意識が一層高まり,その結果として水切りや資源物の分別だけでなくさまざまな取り組みが徹底され,減量効果が増大すると期待されますので,ごみ減量,環境保全という目的を果たすための手段としては有効と考えておるところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) 今答弁を聞かせていただいた私の感想としては,やっぱりごみ袋の有料化ということもこれからも続けて考えていかないかんというふうに理解をさせていただきましたが,それでよろしいでしょうか。 ○議長(水口晴雄君) 明神環境部長。 ◎環境部長(明神公平君) 6月議会の際にも市長のほうでお答えしたと思いますけれども,このことは春野地域と高知市の制度の統一の際にも検討の課題となってくるということでございます。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) はい,わかりました。大変踏み込んで答弁していただきましてありがとうございました。 次に,ごみを減量し続けていかないかんということで,ことしの7月と8月にごみ懇談会を実施されたとお聞きしていますが,どのような方に集まっていただいて,どんな内容の懇談会であったか,環境部長にお伺いいたします。
    ○議長(水口晴雄君) 明神環境部長。 ◎環境部長(明神公平君) ことしのごみの懇談会でございますけれども,減量の推進を主な目的といたしまして,市内31カ所で開催いたしました。ステーションでの分別指導と管理に携わっていただいている町内会,自治会,衛生組合,資源不燃物登録団体の代表者や減量等推進員,これらの方々約550人の皆様に参加いただいております。ごみ量の推移や現状,減量への取り組みや雑紙,傘の資源回収等について説明いたしまして,協力的な御意見も多数いただいたところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) その中で新たな何か分別方法も考えられているということですが,その中身について環境部長にお伺いします。 ○議長(水口晴雄君) 明神環境部長。 ◎環境部長(明神公平君) 新たな分別でございますけれども,家庭系の可燃ごみの組成分析の上では,新聞,段ボール等の紙類,プラスチック製容器包装,そしてペットボトル等の資源物が8%弱含まれているほか,リサイクルが可能な雑紙も2%ほど含まれております。そうしたことから,分別の徹底を改めてお願いすることは当然でございますけれども,さらに雑紙の資源回収に向けた研究,検討を行うことといたしまして,年内に協力いただける地区での試行を予定しております。 また,三里最終処分場での不燃ごみの調査では,傘が7.6%の割合で含まれておりまして,この7月には1日約900本がごみとして出されております。この処理方法について研究いたしました結果,再生資源処理協同組合の協力によりまして資源として回収ということになりまして,11月から正式に分別区分を見直す予定としております。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) 地域へもぜひ混乱のないように十分な説明をして取り組んでいただきたいと思います。 ごみ減量というのは,当初の目標であります50グラムの減量に成功したからそれですべての目的が達成できたということではないはずです。ごみ減量というのは,地球のためにも永遠に続けていかなければならない,到達点のない目標だと思います。それについてどんな対策があるというふうに考えておるのか,環境部長にお聞きします。 ○議長(水口晴雄君) 明神環境部長。 ◎環境部長(明神公平君) 現在,ごみ減量やリサイクルなどによります資源循環型社会や低炭素社会への転換が強く求められております。このため,ごみ減量に対する強い意識を持っていただけるように繰り返し啓発活動を行い,また効果的なごみ処理方法の研究,検討を行いながら,高知方式などこれまで築いてきた市民協働をさらに発展,強化させていきたいと思います。 同時に,高知市地球温暖化対策地域推進計画に基づきまして,昨年環境民権運動推進協定を締結していただいた事業所,そういったところとも連携を図りまして,ごみ減量等も含めまして地球環境保全という視点で総合的に取り組むことが重要と考えております。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) はい,どうもありがとうございました。 次に,地域コミュニティについてですが,平成22年度の重点施策の一つとして,市長は地域コミュニティの再構築を掲げておられます。私は旭西部のほうで生活をさせてもらっていますが,高齢となってもずっとその場所で住み続けることができるように,買い物支援をさせていただいたり,ごみ出しのお手伝いをさせていただいたり,それから夢や希望を持って暮らしていただけるようによさこい祭りに参加をしたり,いろんなイベントを開催しながら地域のコミュニティづくりをしているわけですが,町内会長を中心に,同じ町内にあと2人議員さんがおられますので,3人で力を合わせながら取り組ませていただいております。その意味からも,コミュニティの再構築という考え方は基本的には大変大賛成でございます。 そこで,この再構築とはどのようなものなのか,市長が考えておられる再構築というのはどのようなものかお伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 質問議員さんを初め多くの議員の皆様方には,日ごろから地域のコミュニティ活動,また町内会活動やごみの分別収集等に大変御支援を賜っていまして,本当にありがとうございます。 この地域コミュニティでございますけれども,地域で活動されておられます皆様方が心配しておられますとおり,例えば町内会の役員の担い手がだんだん少なくなってくるなど,やはり担い手の不足,そして地域での高齢化,こういうものが大きな今課題になっておりまして,できるだけ現在のコミュニティが維持をされる,そういう仕組みを再構築していく必要があると考えております。今なら何とか間に合うタイミングであるというふうに考えているところでございます。 切り口は,やはり防災や福祉,それから子供たちを見守っていく教育などさまざまあるわけでございますが,私たちが今再構築というイメージを申し上げておりますのは,地域にはさまざまな団体が活動しております。福祉関係であったり交通安全であったり,そして環境の関係であったり,さまざまな団体が地域で活動されておられますので,その各団体や町内会の皆様方,また地域の皆様方がそれぞれ情報交換を行いながら,横の連携を緩やかにつなげていこうという趣旨で,今回地域コミュニティの再構築を行うきっかけにしていったらということでスタートを切ったばかりでございます。 切り口や考え方はいろいろあろうかと思いますので,地域の皆様方や議会の皆様方にも多くの御意見をお伺いしながら,高知のより望ましい形でのコミュニティの再構築ということを探ってまいりたいと思っております。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) いろいろなコミュニティの再構築というのが考えられるわけで,今市長にもそのように御答弁をいただいたんですが,市民の方々の中からは,結局は市ができないことを市民に押しつけてくるのではないかというような不安が一部にあるようにお聞きをしよります。 もしそんな不安が市民の皆さん方の根本にあるようであれば,再構築というのはなかなか成功しないのではないかと思いますが,そのことについて市長はどのように考えられて,市民の方にどのように説明をされるのかお伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) これまで安心,安全にそれぞれの地域で暮らしてくることができましたのは,それぞれの地域の皆様方の相互の協力ということが大変大きい観点でございまして,そのことには日々私たちも感謝をしているところでございます。 高知市の職員数は今大体2,800人ぐらいでございまして,34万市民の全体の人口からいいましても市職員の数はごく一部でございます。やはり地域の協力がないと一歩も前へ進めない,また安心,安全も守っていけないということは大きな問題点でもございまして,私たちは日ごろから住民の皆様方の地域を住みやすく,安全でということには,これからも御協力をいただきたいというふうに思っているところでございます。 やはりまちづくりは,住民の皆様方のそれぞれの意思が非常に重要でございますし,そのための連携ということも非常に重要になりますので,行政と住民の皆様方との役割分担を十分検討もしなければならないというふうに思っております。役所の仕事を地域に押しつけるということではなくて,地域の皆様方に地域を住みやすい地域にしていただきたいということが一番の大きな観点になろうかと思いますので,その点はいろんなところで御説明も申し上げながら,御理解を賜りたいというふうに思っているところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) はい,わかりました。ただ,何事も人にやってもらう前に,自分が率先して,高知市が率先して前へ出ていくということが必要になってくると思いますので,そこら辺を間違わないように,市のほうが徹底的にやっていくということをぜひ考えていただきたいと思います。 この高知市におけるコミュニティ行政は,坂本市政のもと,昭和46年に下知地区が自治省のモデルコミュニティ地区の指定を受けたことから始まりまして,昭和51年には積極的な市民参加と真の地域自治の実現に向け,コミュニティ担当課としての自治活動課を新設され,また平成5年より取り組んでいるコミュニティ計画の策定とか推進等,長い歴史の中で培われてきたと思います。 なぜ今この時期に再構築に取り組まれるようになったのか,先ほども御答弁いただきましたが,もう一度その理由について市長にお伺いいたします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) コミュニティ計画の策定に着手をした時点が平成5年でございまして,15年以上たっているわけでございますが,平成5年と比べましても地域の環境ということは急速に変化をしてきておりますし,特に少子化,高齢化がこの間かなり進んでまいりました。また,人口減少も進んできておりますし,お互いの人間関係も少しずつ薄くなってきているということを非常に我々も心配をしておりますし,また地域の皆様方もそのことを心配しております。 今後,さらに少子・高齢化が進んでまいりますし,人口減少も進んでまいります。そういう中で,地域での横のつながり,そしてお互いの支援,そういうことを今しっかりとつなぎとめていかなければ地域コミュニティは守っていけないということが私たちの大きな問題点でございまして,そのことを地域の皆様方にもできるだけ御理解をいただきながら,新しい形のコミュニティの維持,発展ということを地域の皆様方とともに探っていく重要な時期であると考えているところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) そしたら,今回重点課題として新たに取り組まれることになりましたこの再構築ですが,その方向性とかエリアなどがどんな形かというのが見えてこないんですが,具体的にはどのようなことを考えられておるのか,市民協働部長にお伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 近藤市民協働部長。 ◎市民協働部長(近藤昭仁君) ことし3月に庁内検討委員会からの報告書が出されておりますが,この中では,現在の地域コミュニティを取り巻く課題に対応するためには,地域課題を共有し,協力,また支え合いによる仕組みづくりが大事であると,そういった意味で地域内連携をより強めていくことが望ましいといったような内容になっております。仮称地域コミュニティ協議会は,その地域内連携の形としてお示しをしたものでありますが,エリアの問題も含めた組織のあり方等につきましては,各種の活動団体の方々や学識経験者等で構成されました地域コミュニティの再構築に関する検討委員会におきまして,論議,検討結果も踏まえて,またこれまでの本市のコミュニティ政策との整合性も考慮しながら,具体的に詰めてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) 地域コミュニティ協議会というのを設置されて活動されるというふうに御答弁をいただきましたが,やっぱり活動するには人,物,金がどうしても必要になってくると思います。特に人については,コミュニティ再構築を平成22年度の重要施策というふうに考えるならば,当然重点的に職員さんを配置すべきと考えますが,そのことについてはどう考えられておるか,総務部長にお伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 中澤総務部長。 ◎総務部長(中澤慎二君) 御質問をいただいております地域コミュニティの再構築に係る業務を初め,本市では,生活保護業務や地域主権の確立に向けた国等からの権限移譲などによりまして,業務量の増加への対応が今後の課題となっております。そのためにも,業務の見直しやアウトソーシングの推進等による効率的な行政運営に努め,必要な業務には適正な人員を配置していくことが重要であります。 地域コミュニティの再構築に向けましても,現在外部の委員の皆様方に御検討いただいております検討委員会の御意見等も踏まえまして,本市の重点施策として推進していくために必要な人員配置に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) もう少し将来的というか,もっと長いスパンで,もうちょっと具体的にお答えをいただけないでしょうか,再度質問させていただきます。 ○議長(水口晴雄君) 中澤総務部長。 ◎総務部長(中澤慎二君) 今後取り組んでいくこととなります各地域における仮称地域コミュニティ協議会の具体的な活動や,その中での行政の役割分担等にもよりますけれども,必要な専任職員の配置のほか,例えば平成5年度から7年度末までの間,現在のコミュニティ計画の策定及びその推進を行うために全庁から幅広く職員の皆さんに協力をお願いして,まちづくりパートナーといたしまして当時の企画部地域計画室への兼務発令を行った例などを参考にいたしまして,今後市民の皆さんとの協働に必要な職員の体制整備を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) やはり再構築をするのであれば,今も御答弁いただきましたように,重点的に人を配置して高知市としての思いを市民の方に見ていただくということが再構築の成功につながると思いますので,ぜひその方向で進めていただきたいと思います。 職員数を先ほど市長がおっしゃいましたが,私は職員数は他の都市と比べてまだまだ多いのではないかという思いから,適正な職員数とか聖域なき行政改革の実行という点では,今まで行ってきました支所の再編成というのは当然のことで,賛成の立場でございます。 再構築ということですので,あえてお聞きしますが,高知市は平成13年7月に支所機能の再編を実施しました。この再編によって,14の支所施設はふれあいセンターとして再スタートをしたわけですが,市職員の配置は見送ったというような経過があって職員さんが少ないわけですが,コミュニティの再構築ということと今現在あるふれあいセンターをどのように結びつけられるのか,市民協働部長に御所見をお伺いします。 ○議長(水口晴雄君) 近藤市民協働部長。 ◎市民協働部長(近藤昭仁君) ふれあいセンターにつきましては,歴史的な経過もありまして旧支所管内14カ所に設置をされておりますが,各センターにおきましては,それぞれの地域活動への協力や支援,市民学校,講座等の生涯学習活動の企画,運営,また地域の皆様からの行政等への相談窓口等としての役割を果たすなど,地域の拠点施設としての機能を担っております。 各センターは,運営委員会によって運営されておりますが,この運営委員会は地域の各種団体の皆様によって構成されているものでありまして,今後の再構築におきます仮称地域コミュニティ協議会の核となる組織ではないかというふうに考えております。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) ふれあいセンターの運営委員会と,それから地域コミュニティ協議会,協議会と運営委員会の違いをちょっと教えていただきたい。 ○議長(水口晴雄君) 近藤市民協働部長。 ◎市民協働部長(近藤昭仁君) ふれあいセンター運営委員会の設置目的は,ふれあいセンターの管理運営について協議をしていくことが第一義になっておりまして,地域各種団体を網羅するような形で構成をされております。再構築におけます仮称地域コミュニティ協議会については,総合的,包括的な組織として地域内の各種団体を網羅する形が望ましく,そういう意味におきましてふれあいセンター運営委員会と構成要件は似ている部分が多いというふうに思っておりますが,設置目的は,地域内の横のつながりにより地域内課題を共有し,課題解決に向けて協議を行う場というふうに考えておりまして,取り扱う課題は地域課題全般ということになってこようかというふうに思います。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) 次に,ふれあいセンターがない旧高知市の本庁管内ですが,それについてはふれあいセンターがないわけですが,どのような対応をされるおつもりなのか,市民協働部長にお伺いいたします。 ○議長(水口晴雄君) 近藤市民協働部長。 ◎市民協働部長(近藤昭仁君) 市内中心部等につきましては,地域コミュニティの場が不足しているということは承知をしているところでございますが,例えば龍馬の生まれたまち記念館へのコミュニティ機能の併設とか,江ノ口コミュニティセンターの開設など,順次整備を進めてまいったところでもございます。 今後も,公共施設の改修時にはコミュニティ機能を併設するなど,地域のコミュニティ活動の場の整備を進めてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) 私の住んでいる塚ノ原というか,旭西部のほうもそういう施設が全くない地域で,人口だけがふえていっているわけですが,市民に対して平等にサービスをしていくという面では,今おっしゃられました公共施設の活用しか地域としてはないと思うんですが,例えば学校とか,そういう意味のことなんでしょうか,もう一度お伺いします。 ○議長(水口晴雄君) 近藤市民協働部長。 ◎市民協働部長(近藤昭仁君) 最近の事例で申しますと,平成17年度に新堀小学校におきまして体育館を改築する際に,建物の中にコミュニティホールを併設いたしました。同様に,ほかの地区におきましても,既存の公共施設改築の機会がございましたら,その機会をとらえましてコミュニティ集会施設の整備を検討してまいりたいと考えております。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) 大きな建物を建てるとなると土地とかいろんなもんで大変だと思いますが,できるだけ今現在あるのものを利用して,そういうものをぜひつくっていただき,進めていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。 私は以前より,地域にふれあいセンターのない,窓口センターだけしかない地域においては,塚ノ原もそうですが,証明書の発行だけではなく,地域の住民の相談も受け付けると,もっと市民に近づいた,市民が使いやすいセンターの充実を図ることがコミュニティの再構築ではないかと考えておりますが,その点について市民協働部長に御所見をお伺いします。 ○議長(水口晴雄君) 近藤市民協働部長。 ◎市民協働部長(近藤昭仁君) 平成13年度に行政改革等の観点から実施をしました支所機能の再編によりまして,当時の支所が持っておりました窓口機能とコミュニティ機能を分離いたしまして,窓口機能につきましては,再編当初8カ所の地域窓口センターに特化してまいりました。そういった経過がございますので,御理解のほう賜りたいと存じます。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) そういう答弁しか出てこないと思いますが,ぜひそれぞれの地域に対応した対応策をとっていただきたいというふうに考えております。 私は,ここの本庁を総合病院に例えるなら,地域のコミュニティセンターは診療所だと思います。普通市民の皆さんは身近な診療所,そういうものを充実するのを望んでいるのではないかと私は思います。病院へかかるときは,まずかかりつけのお医者さんのいる地元の診療所で診てもらう。それで,どうしても手に負えないときは,紹介してもろうて総合病院に行くと。そうではなく,最初から余り日ごろから親しみのない総合病院へということは,本庁に,気を使いながらなれない道を通って狭い駐車場に入れると。本当に大変なんですね。そのことを考えるだけで病人やったら病気が重くなるんじゃないかというふうに考えるわけです。 職員数の削減とか経費削減,合理化ということでややもすると中央集約で,どこを削っていくかというたら支所を削って,中央集約で本庁中心になる,そんなふうに考えるわけです。しかし,市民の皆さんが望んでいるのは,例えて言うと総合病院に直接行くのではなく,やっぱり診療所へ先に行きたいと,そういう思いがあると思うんです。 中央集約ではなく,地域分散をすべきじゃないかと考えますが,今回の再構築というのはそういう方向からするとどうなのか,市民協働部長に御所見をお伺いします。 ○議長(水口晴雄君) 近藤市民協働部長。 ◎市民協働部長(近藤昭仁君) 国におけます地方分権,地域主権の経過から見ますと,今後基礎的な自治体の自主性,自立性が重んじられる方向に進みまして,地域の自主性による地方自治のあり方が一層求められるというような状況になりまして,地域住民の方々の主体的な取り組みによる住民自治がますます重要となってくるというふうに考えております。こうしたことから,市民の方々と行政との今後の協働のあり方を考える中で,住民自治の継続性を担保する仕組みとしての行政組織や職員配置につきましても当然検討されていくべきというふうに考えております。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) ぜひ,御答弁にありましたように地域の充実ということを本当に図っていただきたいと思います。 市職員で構成する再構築検討委員会の報告書では,地域における多様な公共サービスの提供を総合的,包括的にマネジメントする組織の構築が望ましいという内容になっておりますが,市民の方々にこうした組織の設立をお願いする前に,市の内部においてどのような対応をされるのか。やはり市民の方々がそれなら協力していこうという心を引き出すことが最も重要と考えますが,市民協働部長に御所見をお伺いします。 ○議長(水口晴雄君) 近藤市民協働部長。 ◎市民協働部長(近藤昭仁君) 地域コミュニティの再構築におきましては,地域における連携の仕組みを検討するだけではなくて,地域と行政との協働における関係の仕方を検討することも重要な面として考えております。地域におきます新たな支え合いの仕組みづくり等につきましては,昨年庁内で検討してきた再構築の方向性もたたき台としながら,地域コミュニティの再構築に関します検討委員会において具体的な御論議をいただくことになっておりますが,この新たな地域における仕組みづくりには,市民と行政の協働のあり方を考える観点から,当然市職員のかかわり方や参加等も重要な課題となってくるものと考えております。 行政の協働のあり方,市職員の参加等につきましては,この検討委員会での御論議も踏まえまして,また先月設置をしました庁内の副部長級職員で構成します調整会議におきまして,市民の方々の主体的な活動を支援するあり方,そして市職員の市民活動への参加等について,今後十分に検討をしてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) やはり重点課題の一つであります再構築ですので,市長みずからが音頭をとってぜひそういう形で進めていっていただきたいと思います。 平成5年に高知市はコミュニティ計画の作成に取り組むために地域計画室を新設されて,以後,名前が何回か変わりましたが,まちづくり推進室,まちづくり推進課,現在は地域コミュニティ推進課というふうに変わっています。私は,そんなに多くなかったんですが,歴代の担当職員さんですね,担当さんがかわっても本当に心はいつも同じで,その目線の方向は市役所を向くのではなく,常に市民のほうに向いてくれておりました。私は,もう以前からまちづくりの関係で担当職員さんと身近に接することができて,市の職員さんは今でいうたら地域コミュニティ推進課の職員さんのようにぜひなっていただきたい,職員さんの模範だというふうに思わせていただいております。 市役所のすべての課でもぜひ市民のほうに目を向けていただきたいと思っておりますが,市長に御所見をお伺いいたします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) まちづくりの担当をしておりました職員に対してのお言葉をいただきましてありがとうございました。 常々,やはり市の職員の姿が地域で見えないということで,議員の皆様方を初め地域の皆様方にもおしかりを受ける点がございますが,やはり市の職員の皆様方に求められます職員像としましては,地域の市民の目線で,市民の立場に立って市民の意見を聞き,そして自分で考えるということが市の職員の望まれる姿だというふうに考えているところでございます。 まだまだその点につきまして不十分な点もあるというふうに考えておりますので,職員研修やさまざまな業務を通じまして,市民の目線に立って,市民の立場で,そして自分自身で考えるというところは研修を深めてまいりたいというふうに思っております。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) ありがとうございます。 市役所のための職員さんなのか,市民のための職員さんなのか,各部局や課のための職員さんなのか,困り果てて相談に来た市民のための職員さんなのか,法律とか条例もあるし,それからいろいろな縛りもあって,職員さんは業務を遂行していく上では本当に大変だと思います。しかし,法の範囲内でどれだけ市民の皆さんの手助けができるか,職員さんの本来の仕事は,全員がそうというわけではないんですが,部とか課のことばっかりを考えるのではなく,市民の方々の困り事を解決することではないかと私は思います。 どうかこのコミュニティ再構築を進めるに当たりまして,何度も言ってきましたが,職員さんの目線は市役所ではなく市民の方に向けていただきたい。本庁にとどまるのではなく,外に出て情報を収集していただきたい。この点を申し上げて,地域コミュニティに関する質問を終わらせていただきます。 次に,財政問題についてお伺いをいたします。 高知市は平成21年度から5年間で244億円の収支不足が見込まれるため,さまざまな改善策を出されてその目標達成に向けて努力をされたと思いますが,21年度もそういう意味で努力をされたと思います。 そこで,個々の結果について質問をさせていただきます。その中には開会日に市長,財務部長から説明があった内容があろうかと思いますが,再度議会答弁という形でお答えいただきたいと思いますので,よろしくお願いをいたします。 まず,新財政再建推進プランの初年度,平成21年度は28億円の収支改善をするというふうに目標を立てられておりましたが,結果はどうであったのか。その中には3つの項目がありまして,退職手当債の発行と基金の活用と市有財政の売り払い,この3項目で28億円の収支改善をするというふうに目標を立てられておりましたが,その結果がどうであったか,市長にお伺いいたします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 平成21年度の収支の改善結果でございますが,今議会でお諮りをしておりますが,決算におきましても21年度で3億9,000万円余りの実質収支の黒字を達成することができましたので,全体としての収支改善の目的は果たせたものと考えております。 新財政再建推進プランで掲げておりました先ほどの3点でございますが,1点目の市有財産の売り払いにつきましては,積極的な売却にも努めましたが,残念ながら目標額を達成することはできませんでした。ただ,2点目の基金の活用は,約4億円を充当して収支不足に充てるということにしておりましたが,この4億円につきましては取り崩しを行わずに,平成22年度以降の収支改善のために4億円を残すことができております。また,退職手当債の発行につきましては21億2,000万円の発行予定でございましたが,発行は全体で20億円に抑えたところでございまして,全体として収支改善策を達成することができたところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) 市有財産の売り払いについては達成できなかったが,その他のことについては予定以上の成果が出たというふうな御答弁をいただきました。よかったと思います。 ただ,お答えいただきました中に退職手当債というのがあるんですが,新財政再建推進プランの改善策の中に,退職手当債を発行することによって5年間で75億円の収支改善をするということになっております。これは,私は前にも質問をさせていただきましたが,75億円というのは,244億円全体の3分の1にもなります。私からすると,退職手当債,起債の発行というのは借金をすることですから,それがどうして収支改善と言えるかというのは,なかなか借金をすることが収支改善になるのかなということを理解できません。 旧の鏡,土佐山村では,合併をするまで職員退職手当組合というのを通じてずっと積み立てをやってこられたということですが,今まで高知市はなぜ退職手当を積み重ねてこなかったのか,財務部長にお伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 舛田財務部長。 ◎財務部長(舛田郁男君) 団塊の世代の大量退職によりまして退職手当が大きな負担になることは想定されておりましたが,平成10年の98豪雨災害で多額の経費が必要になるような事態もございました。退職手当のためだけに基金を積み立てる財政的余裕がなく,またそのような厳しい状況下で,貴重な財源を市民生活のために使わずに職員の退職手当に積み立てることは理解が得られにくい状況でありました。そのため,代替的に財政調整基金と減債基金を何とか維持することで大量退職時の財源として活用することを想定しておりました。 しかし,平成15年度に市税の落ち込みや交付税の大幅削減により赤字団体への転落も予想されたため基金の大幅な取り崩しを余儀なくされたことに加えまして,16年度以降国の三位一体改革によりさらに財政運営が厳しくなったために,積み立てる余裕がないまま現在に至っているものでございます。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) 御説明をしていただきましたが,予算の関係でなかなか組めなかったということもわかるんですが,一度もやってないんじゃないですか,財務部長にお答え願います。積み立てを一度もやってないんじゃないですか。 ○議長(水口晴雄君) 舛田財務部長。 ◎財務部長(舛田郁男君) 退職という目的を持っての積み立ては一度もやっておりません。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) やっぱりそこら辺が私は問題だと思います。いろんな説明もできますし,もう過去のことですので過去を変えることはできませんが,ぜひそういうことのないように今後はこのことを教訓にして,当然どこの会社でも社員が入ったら,40年後には退職するとなったらためていくわけですので,お金があればためなくていいんですが,ないところほど私はためていかないかん,基金を積んでいかないかんというふうに思います。 行き当たりばったりと言うたら大変言葉が失礼ですが,困ったときには借りたらええわということではなしに,そうではないと思いますけれど,とにかく苦しいときこそ貯金をしていくべきやと,基金をためていくべきだと,こう申し上げておきます。 退職手当債というのは,職員の削減とかいろんな条件が整えば発行が可能になるというふうにお聞きしていますが,どんなに可能になったとしても借金に変わりはないわけでございます。しっかりと見通しを立てて今後は発行をしていただきたいと思います。 次に,起債残高の見通しについてお伺いします。 財政再建のために開催をした地域説明会で,市長は平成21年度を基準として1年間で約150億円,5年間で750億円の起債の削減をして,5年後には中核市平均並みの1,700億円の起債残高にすると明言をされましたが,スタートしました21年度の起債残高はどうなったでしょうか,市長にお伺いします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 昨年の地域説明会におきまして平成21年度末の起債残高を2,495億円と想定しておりましたが,清掃工場和解金の繰り上げ償還を行いましたので,結果的には2,477億円の残高となっています。これは対前年度の20年度と比較をいたしますと,交付税の振りかわりであります臨時財政対策債を除きまして約123億円の削減ということになっているところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) 今市長が御答弁になりました臨時財政対策債ですが,平成21年度に40億円の借り入れをしていまして,22年度の予算では68億円ということになっておりますが,結局交付税が少ないからといってこれを借りると,5年間で市長がお約束されました750億円の削減は無理になるんではないかと思いますが,財務部長,御所見をお伺いしたいと思います。 ○議長(水口晴雄君) 舛田財務部長。 ◎財務部長(舛田郁男君) 昨年度開催しました地域説明会では,5年間で約750億円の起債残高の削減を想定しており,その想定の中で臨時財政対策債は毎年度約40億円を発行する見通しでしたけれども,平成22年度の普通交付税算定結果によりまして臨財債は約28億円増加いたしまして,約68億円の発行となっております。 ただ,臨財債は,国が本来交付税で配付すべきものを地方が起債で立てかえているものでございまして,後年度に交付税で100%措置されますとともに,国の地方財政対策や税収により増減されるものでありますので,この分を除いて考える必要があると思っております。現在策定しております新財政再建推進プランでは,臨時財政対策債を除いた場合の起債残高は5年間で約742億円の削減を見込んでお示ししておりますので,ほぼ計画どおりではないかというふうに考えております。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) 本来であれば,地方交付税として国が地方に交付をしていただく分が計算上は300億円出さないかんのやけど,今お金がないので250億円にしといてくれと,そのかわり50億円は高知市で借りとってやというのがこの臨時財政対策債だと思うんです。 国を信用しないというわけではないんですが,これは後でも申し上げますが,もともと国がくれる分であれば国が借りてくれたらいいわけで,そこらが大変不安だと。特に,交付税は算定基準がなかなかあいまいですので,どこで臨時財政対策債の分が戻ってきたのか,なかなかそれは見当がしにくいところと思いますので,ぜひその点はいま一度150億円の削減に向けて取り組んでいただきたいと思います。 起債の残高については今お聞きしましてわかりましたが,起債を借りたことによる利息を毎年50億円前後払っていると思いますが,それ以外にも一時借入金による利息を決算書を見せていただくと払っております。この一時借入金というのは夕張市で大変問題になったもんですが,高知市の場合は一時借入金の利息を毎年2,000万円前後払っておりますが,単純計算で,金利が1%だとすると2,000万円ということは20億円前後の借り入れとなるはずです。 一時借り入れというのは,大災害とか国の補助金がおくれたとか突発的な場合は可能だとしても,常用的にずっと2,000万円,3,000万円,2,000万円と借りておるわけです。常用的に借りるのは本来の目的からするとおかしいのではないか,当初予算の編成時において見通しが少し甘いのではないかというふうに感じますが,財務部長,御答弁をお願いします。 ○議長(水口晴雄君) 舛田財務部長。 ◎財務部長(舛田郁男君) 一時借入金は,市税,交付税,それから国県補助金の収入時期と人件費や扶助費,工事請負費などの支出時期が異なりますために一時的に現金が不足することがございますので,このような場合に金融機関から借り入れを行うものでございます。 市税等の自主財源に乏しい本市においては,国,県からの補助金や起債などの依存財源に頼らざるを得ない状況であり,それらの歳入は年度末に事業費の支出を終えた後の出納閉鎖期間中に収入されることとなりますために,例年同時期に一時借入金が発生しておるものでございますので,御理解をくださるようお願い申し上げます。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) まだいろいろとそのことについてお聞きしたいんですが,時間がありませんので次へ進みます。 御説明によると一時的でやむを得ないということはわかりましたが,今後ともしっかりとした資金管理をして,なるべく利息が発生しないように努力をしていただきたいとお願いをします。 次に,昨年市長が地域にみずから出向かれて市民の声を直接お聞きになって,各地域で出た市民の思いを酌み取り,新財政再建推進プランを策定して強い決意で財政再建に取り組まれることとなりました。改善目標に対して,平成21年度から5年間ですが,21年度の1年間努力された結果は先ほどお聞きをしたわけですが,まだたった1年しかたっていませんので時期は尚早であるかもしれませんが,21年度の結果を踏まえて,22年度以降の数値目標とかそういうものの変更とか改善とかをされる点はあるのか,それとも当初の計画どおりあと4年間進めていくおつもりなのか,市長にお伺いをいたします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 財政の健全化計画につきましては,ポイントポイントの都度,ローリングをしながら見直しをしていく必要はあると考えております。ただ,現時点では,まだ平成23年度に向けました国の地方財政計画の見通しがよくわからないことと,民主党の代表選挙の結果が本日明らかになるわけでございますが,政界再編,そして今後の見通し等も不透明な部分もございますので,現時点で直ちに今現在の推進プランを見直すということは考えておりません。 今後,政局の行方や本年12月末に発表されます平成23年度の地方財政対策の動向などを見ながら,ローリングをかけてまいりたいというふうに思っているところでございます。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) ありがとうございます。市の税収の落ち込みや,今おっしゃいましたように国の動向などで収支の見通しを立てることがなかなか難しいと思いますが,残り4年間,特に私は起債残高750億円を5年間で少なくするという,そういう収支改善に向けては,しっかりとした財政運営をしていただきたいということをお願いいたします。 次に,今議会で解散の議案が出されております土地開発公社についてお伺いをいたします。 土地の取得額として42億円,利息が20億円で,合計62億円の残高となっているというふうにお聞きしました。その中で,42億円の土地の中には,当然道路とか公園,いろんなインフラのために売却できないものがあると思いますし,また逆にそれ以外では売れる土地とか,売れないけれども貸し手を探さないかん土地とかいろいろあると思いますが,その中身について財務部長にお伺いいたします。 ○議長(水口晴雄君) 舛田財務部長。 ◎財務部長(舛田郁男君) 本年12月に買い戻しを行う時点での公社が保有する土地は,117筆,6万9,171.55平方メートルの見込みでございます。このうち,学校の進入路のための用地とか公園用地,再生資源処理センターや食肉センター事務所用地など,行政財産及び普通財産として市または一部事務組合などが活用しているものが70筆,4万4,501.8平方メートルあり,これらは現在のところ売却できないものと考えております。 また,事業が終了しました道路用地の代替地など47筆,2万4,669.75平方メートルにつきましては売却または貸し付けを考えており,特に知寄町薊野線や鴨部北城山線など事業が終了しました代替地13筆,5,093.87平方メートルはすぐに売却が可能な土地でありますので,買い戻し後は早急な売却に努めてまいります。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) 御答弁をしていただきましたとおり,売れるものは早く売ると,貸し手を探すものはできるだけ早く探すと,そういう努力をぜひしていただきたいと思います。 次に,利息が20億円になっていますが,これについて何が原因でそんな20億円になったかということをお聞かせください。
    ○議長(水口晴雄君) 舛田財務部長。 ◎財務部長(舛田郁男君) 土地開発公社は,本市からの取得依頼に基づきまして公共用地を先行取得するわけですが,その際に公社が金融機関から借り入れた長期借入金につきましては,本市が買い戻しを行うまでは公社が返済できませんので,その間利息が積み上がっていくことになります。 こうした利息が20億円にまでふえてしまったことにつきましては,事業の進捗状況により先行取得しました用地を計画的に買い戻しができなかったこともありますが,やはり厳しい財政状況が続いてきたことで継続的な買い戻しができなかったことが大きな原因であると考えております。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) 逆だと思いますね。財政が厳しいから,金利にはまた金利がついていくと,そういう多分雪だるま式に金利がふえていったんだと思いますね,複利で。やっぱりこれは財政が厳しいからこそ,早目にそういうのは済ませていくというふうにやっていただきたいと思います。 特に,連結決算になりましたので,余りもう特別会計をそんなに置く必要はない。できるだけ国の普通会計に近いような形の特別会計にしていただきたい。こういうことになっているから金利に金利が重なって,銀行だけが喜んでいるという状態になっていると思いますので,そこら辺はぜひ,財務部長は詳しいと思いますので,お考えをいただきたいと,こんなふうに思います。 買い取らずにそのまま置いていくと,どんどんどんどん金利がふえていくと,払う力がないわけですから。ということですので,どうしても現状としては買い取って済ますほうが利息も少なくなるんじゃないかと思いますが,財務部長,最後にお聞きします。 ○議長(水口晴雄君) 舛田財務部長。 ◎財務部長(舛田郁男君) 現状では,公社で市中金融機関から融資を受ける場合の利率に比べまして,起債を発行した場合の利率のほうが低くなっております。また,この起債は,後年度償還により発生する利子負担に特別交付税措置が予定されているものでございます。毎年度の償還による負担は多少大きくなるものの,確実に残高を減少させることができますので,将来の財政健全化のためにはこの起債を活用して公社を解散させることが有効であると考えております。 ○議長(水口晴雄君) 吉永哲也議員。 ◆(吉永哲也君) それでは最後に,将来の財政負担を考えると,先ほど財務部長が説明されました起債を活用して解散することが高知市にとって負担軽減になるということがわかりました。きょうは,ここまで財政問題に関しては主に起債に関連して質問をさせていただきました。借金がゼロで高知市を運営するということは到底できません。ある程度の起債は必要だし,そのための金利負担もやむを得ないということは理解ができます。 しかし,かといって有利な起債だとか,計算上は大丈夫だとか,先ほどもおっしゃいましたけれど,臨時財政対策債のように国が約束してくれているから安心だと,そういう理由で起債をふやすのは私は大変危険だと思います,こんな不透明な時代ですから。 基本的に市の起債を払うのは市ではなくて,当然のことながら市民なんです。市の借金ではなく,今ある借金は全部市民の借金なんです。行政側は,市民の安全と安心のために努力をされて,いろんなサービスをしてくれます。しかし,そこで要った経費とかその支払いはすべて市民がしなくてはなりません。執行されるのは市ですが,支払いをするのは市へプラス民をつけないといけません。すべて民がかかわってきます。そのことを,市民のことを十分に考慮して起債の発行をお願いしたいと思います。 以上で,私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(水口晴雄君) この際暫時休憩いたします。  午後0時0分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後1時1分再開 ○副議長(山根堂宏君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 竹内千賀子議員。  〔竹内千賀子君登壇〕 ◆(竹内千賀子君) 市民クラブの竹内千賀子でございます。私見を交えまして,早速質問を始めます。 まず,差別事件,人権侵害に対する対応についてお尋ねをいたします。 ことし7月22日に健康福祉部所管の部署で,冷蔵庫の中の賞味期限が切れている食品をめぐって,ある職員が,私はえた腹やき大丈夫という発言がありました。それを聞いた別の職員が確認すると,再度発言をした職員さんは,私はえた腹やきと発言した,そういう出来事がございました。もう一人の聞いた職員さんは,えた腹は差別発言であることを指摘した上で,上司に報告をし,職員に指導してくれるように頼んだとのことでございました。 翌月の8月2日に報告を受けましたが,Aさんは発言を認めており,えた腹については子供のころ親が言っていたとのことでした。Aさんは,この言葉が被差別部落の人を卑しめる言葉であり,差別につながることは認識もせずに使っていたのだろうと思います。 昨年5月の連休の件もあり,健康福祉部ではこの出来事をきっかけに,介護保険課,生活福祉課の職員を対象に,8月下旬から9月上旬までの間に4回に分けて職員研修が行われました。ですが,えた腹という発言を勇気を持って指摘した職員がいなかったなら,この件は不問に付されたであろうと心が痛みます。 職員が起こした差別事件は数々ありましたが,重大な事件を上げてみますと,1984年,自治活動課で部落出身のAさんが高級車を持っているのが話題となり,課長は部下職員の前で指を4本示しながら,A君はこれぞね。あの人ら同和対策事業で補償もろうちゅうき,ほんであんな高級車が買えらあねと言った事件がありました。 今は,坂本昭市長も,自治活動課があったことも御存じない方がふえましたが,自治活動課は,今は亡き坂本市長が新しい自由民権運動と題し,金力と権力から解放され,人の上に人がいなくなった自覚と責任ある市民こそが市民自治の原点である。すべての市民が平等な人間的立場に立ち,途中を省略いたしますが,ともあれ土佐の自由民権運動近代版を進めるべく,時間と根気のかかる仕事であることを覚悟して,市民運動と最も深い関係の多い行政部門の中に,小さくはあるが自治活動課を新設して出発するという信念のもとにつくられました。 高知市初の女性課長として,女性の地位の向上,女性解放への大きな期待を担って任命され,女性差別撤廃に取り組んでいた課長だっただけに,市も私たちも二重,三重のショックでございました。彼女は,私自身差別をしていることに全く気がつかずに51年生きてきました。今回初めて差別者であった自分に気がつきましたと反省をしておられました。彼女は指を4本示し,これが差別になるがですか。今までだれにも注意されたことがなかったと自分のしたことをあっさりと認めたわけですけれども,係長時代に一緒の課にいた人によると,彼女はたびたび,あの人はこれかね,あの人はこれかねと4本指を示して聞いていたとのことで,注意はしなかったのかと聞くと,上司にそんな注意なんてとんでもない。だれも指摘せず,差別を平気で見過ごしてきたことが明らかになりました。 この女性管理職による事件と同じく,昨年7月の消防局の事件で職員名簿の被差別部落出身者にNHKと記入していたという件でも,当時だれも注意もしないし,問題提起もしなかったということで,こういう体質は依然として変わっていないと言わざるを得ません。 また,役所に来庁した市民による露骨な差別発言に対して,居合わせた職員による注意や啓発等の対応がなされなかった事件もそのことを物語っています。過去に起きたさまざまな出来事が継承されておらず,教訓として生かされていないことのあらわれだと思います。決して風化させずに実例を学ぶことが肝心だと思います。 各所属長,課長は人権研修推進員の役割が位置づけられておりますが,問題が起こるたびに,庁内に果たしてその体制が確立されているだろうかと疑問を感じてなりません。このような体質では,えた腹という発言を勇気を持って指摘した職員が,あの人の前では何ちゃあ言われんというふうに孤立させられてしまう危惧があります。 今回のように,えたという用語はいつまでたっても死語にはならず,使われ続けていますが,この言葉が私たちを褒めるときに使われたことは一度も聞いたことがありません。いつでも悪いことの代名詞に使われてまいりました。殊さら,差別はなくなったと言われる方々がおいでます。えたとは穢れが多いと書きます。ほかにもいろんな賤称語がありますけれども,その言葉を聞いて衝撃を受け,傷つく人間が現存していることを承知しておられるのでしょうか。 私は,2003年まで衆議院議員を務められた野中広務氏の話を直接聞く機会がありました。彼は,大阪鉄道管理局に勤め,人並み以上に昇進したのですが,それが同僚の嫉妬を買い,ある日隣の部屋から聞こえた会話の中で,野中さんは大阪におったら飛ぶ鳥を落とす勢いだけれど,地元に帰ったら部落の人だと言ったのが,彼が就職や夜間大学の世話など何かと面倒を見てきた後輩だった。そんな人間に裏切られ,彼は三日三晩泣き明かし,のたうち回った。信頼していた後輩に裏切られたことは心底こたえたという話でした。 その後,彼は差別をなくするために政治家になろうと決意し,職場をやめてふるさと京都の地元に帰り,25歳で町会議員に当選,園部町長,京都府議,副知事を歴任し,1983年衆議院議員に初当選をしました。以来,重責を担い,2001年には次期総理にと期待をされていたのですが,まだ麻生太郎氏が総理になる前の2001年3月の大勇会の会合で麻生氏が,野中は部落の人間だ。だからあんなのが総理になってどうするんだ。部落の人間に日本のかじ取りを任せていいのかなどの発言があり,問題となりました。この一件でもわかるように部落差別は厳しく現存しているのです。さらに,この一件は,オバマ大統領誕生のニュースとあわせて,昨年1月16日付のニューヨークタイムズ紙の1面に根深い日本の部落問題として掲載をされました。 人権,平和,環境は世界的な潮流となっています。今こそ,部落差別を初めとするあらゆる人権侵害を職員自身が気づき,提起し,話し合うことができる,解決することができる職場づくりが求められているし,そのような気風をつくることでみずからの身も守られると思います。差別する側にもされる側にも自分の置かれた立場の自覚を促し,自己改革をさせるということ,人一人の考え方を変えるということは非常に難しいと痛感していますが,特に行政には相手の立場に立った対応が求められています。 今回の職員研修には,部落解放同盟高知市協の森田益子顧問が招かれ,私も同席させていただきましたが,講演後の意見交換では,初めて聞いた。差別につながることがわかった。若い職員はほとんど知らない。教育の方法を考えなければならないと思う。また何か事が起こってから研修をするのではなく,日ごろから人権意識を高める取り組みをしなければならないと思うなどの意見が出されました。 公務員は,日本国憲法を遵守するという誓約をしておいでます。特に,人権施策推進本部及び各所属長は自分の部署での職責がありますが,差別事件,人権侵害に対する対応について市長の御所見をお伺いいたします。 次に,事前登録型本人通知制度の導入についてお尋ねをいたします。 2008年5月1日,改正戸籍法が施行されました。だれでも戸籍謄抄本等の交付請求ができるという従来の戸籍の公開原則が改められ,第三者や弁護士,司法書士など有資格者が他人の戸籍謄本や抄本を請求する際に厳しい制限を設けました。また,婚姻等の届け出と戸籍の証明を請求する際に本人確認が必要になったこと,そして不正取得した人に対しては新たな刑罰が科せられることになりました。 この改正の背景には,他人の戸籍謄本,抄本等を第三者が不正に取得し,本人の知らないところで売買されるという事件が多発していることがあります。 特に悪質な事件を申し上げますと,兵庫県,大阪府の行政書士3人が興信所と結託して,身元調査をするために職務上請求書を使用し他人の戸籍謄本,改正原戸籍などを不正取得するという極めて悪質な,全国にまたがる大量の戸籍謄本等の不正取得事件が2004年に発覚をいたしました。その範囲は,佐賀県を除く46都道府県に及び,件数は全国で2,000件近くに上りました。これは,神戸市の行政書士が電話で調べた興信所5社に住民票や戸籍謄本取り寄せますという旨のファクスを送付,ファクスを送っていない興信所も含め6社からの依頼を受け,2001年から2004年2月まで約800枚の職務上請求書を使い不正請求をしました。 特に,兵庫県内の興信所経営者Gからの依頼が多く,半数の400枚を占め,請求書の使用目的の欄に調査添付資料,提出先には依頼人と書き自治体に提出すると,ほとんどの自治体で交付を受けたとのことで,1枚3,000円程度で興信所と取引していたのです。興信所Gは,身元調査の依頼のうち9割が部落出身かどうかを調べるものであると証言しており,またGの業務日誌から,地名総鑑返せなどと興信所同士で地名総鑑の貸し借りがあると受け取られる記述もあることが判明しております。宝塚市の行政書士に至っては1,000枚を超す職務上請求書を使用しており,1件当たり1万円の報酬を受けていたことがわかりました。 2005年4月,法務省と総務省は,行政書士会や司法書士会などの会合に職務上請求書の管理徹底を促す異例の依頼書を送付しました。また,兵庫県は,宝塚市の行政書士を全国初の業務禁止処分としました。 この大量の戸籍謄本不正取得事件は,1975年に発覚した部落地名総鑑事件,そして1998年に発覚した大阪市内にある大手の興信所日本アイビー社とその子会社であるリック株式会社が顧客である多数の企業からの依頼を受け,就職希望者が被差別部落出身かどうかなどの身元調査を行っていた事件に匹敵する,重大で深刻な部落差別,身元調査事件であります。 この事件は,神戸新聞や朝日新聞を初め全国で大きく取り上げられました。今なお,結婚や就職といったケースで本籍地を確認され,部落出身であることが暴かれ,職業選択の自由,居住及び移転の自由,結婚の自由など市民的権利と自由が侵害され,まさに近代社会における部落差別が隠然と行われているという身元調査の現実があるからこそ,戸籍の公開に一定の制限をかけざるを得なかったわけでございます。 自分の戸籍等が不正に取得されても本人には全くわかりません。このような事例が横行する限り,自分の情報をだれが何のために利用したのか,本人に知る機会を保障する必要があると思います。それが今回の改正ではできていませんが,改正戸籍法の中には,本法の施行状況及び他の関連制度における扱いに照らし,第三者が不正に戸籍の謄抄本を交付請求することを防止するさらなる措置の導入について検討を行うことという附帯決議がつけられております。 私の知り得たところでは,昨年6月,大阪狭山市を皮切りに,大阪府では11の市と町,愛知,広島,鳥取,山口県の8つの市と町,さらに埼玉県ではことし6月1日から県内64の全市町村で本人通知制度が導入されました。 高知市においても,第三者や代理人からの請求によって事前に登録した人の戸籍謄本や住民票の写しなどを交付した事実を知らせる事前登録型本人通知制度を早期に導入すべきだと思いますが,市長のお考えをお聞かせください。 次に,障害者雇用と18歳から20歳までの障害者支援制度の谷間についてお伺いいたします。 国では,障害者雇用促進法に基づき,一般の民間企業は常用雇用労働者の1.8%,一定の特殊法人は2.1%,国,都道府県,市町村の機関は2.1%,都道府県等の教育委員会は2%の身体障害者または知的障害者を雇用しなければならないとされています。精神障害者は,2006年4月1日から障害者雇用率に算入できるようになりましたが,雇用は義務化されていません。 厚生労働省では,毎年6月1日現在における障害者の雇用状況について調査をしております。高知労働局が発表した2009年6月1日現在の高知県内の障害者雇用の状況を見てみますと,まず民間企業の雇用率の達成状況では,県全体の実雇用率は1.75%となり,前年に比べ0.08ポイント上昇し,全国平均の1.63%を0.12ポイント上回り,法定雇用率1.8%を達成している企業の割合は57.3%となり,前年に比べ4.5ポイントも上昇し,全国平均の45.5%を11.8ポイントも上回っております。 翻って県内の公的機関の状況は,県の機関では知事部局,公営企業局,県警ともに法定雇用率の2.1%は達成しておりますが,知事部局の実雇用率は2.11%であり,目標をわずかに0.01ポイント上回っているにすぎず,全国平均の2.49%を大きく下回っており,全国ランクを見ましても2年連続の最下位の状況です。さらに,市町村の状況を見ますと,県下市町村の平均実雇用率は1.64%。法定雇用率の2.1%を下回るのみならず,全国平均の2.37%には大差をつけられ,6年連続して全国最下位に甘んじているという不名誉な状況です。 さて,その中でも肝心かなめの高知市はと申しますと,実雇用率は1.65%で県下市町村の平均は上回っているものの,法定雇用率にはまだまだ届かない現状にあります。民間中小企業が努力されているにもかかわらず,住民の最も近くにあって,障害者雇用の面でも率先垂範すべき市町村がこのていたらくでは,現在の苦しい財政状況,その他いろいろの事情があるにせよ,いささか恥ずかしい現状ではないでしょうか。 しかも,雇用されている障害者を障害の種類別に見てみますと,民間企業では1,016人中に,知的障害者が277人,精神障害者が34人おり,一方県の機関では93人中に,知的障害者ゼロ,精神障害者2人,市町村の機関では123人中に,知的障害者ゼロ,精神障害者2人という状況で,自治体の知的障害者雇用は皆無でございます。 県や市町村では,単純,反復作業等はすべてアウトソーシングされ尽くし,知的障害者に適した職場はもはや残っていないと言われるかもしれません。しかし,障害者側の就労意欲の高まり,企業の社会的責任に対する意識の高まりや各種のバックアップ制度が充実してきていることなどから,新たな雇用の場,新たな職域の開発が求められているのではないでしょうか。 ことし3月8日の高知新聞朝刊の県の障害者雇用全国最低という記事で,知的障害者の雇用について高知市は,ニーズがあれば検討したいが,知的,精神障害者については要望がないと話したとのことでしたが,要望がないのでニーズもないととれなくもありません。同じ記事の中で,高知女子大学の社会保障論の田中きよむ教授は,募集しても応募がないという待ちの姿勢は,雇う気がないと思われても仕方がない。応募できる仕事をまず確保することが大事と指摘をしています。高知労働局は,仕事に人を合わせるのではなく,障害に合わせた仕事を見出す職場開拓が必要と言っています。 また,同月15日には,県内の公的機関で働く障害者のうち98.5%は身体障害者で,知的,精神の障害者が極めて少ないのも問題とし,率先すべきは自治体だとの社説がありました。まさにそのとおりだと思います。障害者問題は課題が多く,特に知的,精神障害者に対する差別はまだまだ根強く,就労の場も極めて少なく,社会全体から冷遇されている現状を踏まえ,市長にお尋ねいたします。 県下の民間企業が,厳しい経済情勢下にあるにもかかわらず,知的障害者雇用についても努力して実績を上げている中,市立養護学校も運営し,知的障害者の雇用についても率先垂範すべき立場から,たとえ要望はなくとも,その採用について一歩踏み出すべき時期ではないかと思いますが,いかがお考えでしょうか。あわせて,高知市の障害者雇用の現状を障害の種類別にお答えいただきたいと思います。 さて,昨年4月1日に発足いたしました一般社団法人いきいきシルバー会が,ことしの4月1日に高知市立養護学校高等部を卒業したばかりの方を採用いたしました。知的障害のある18歳の少女です。いきいきシルバー会は,高齢者,障害者,母子・父子家庭,その他の就労困難な者に就労の場を確保し,その就労を支援,促進するとともに,その生活の安定と福祉の向上を図り,実質的な人権保障の確立を目的としておりますが,ハローワークや県障害保健福祉課の積極的な勧めもありまして在学中に彼女を職場体験実習に受け入れ,養護学校卒業後に3カ月間試行雇用,いわゆるトライアル雇用を実施いたしました。そして,7月1日には正規職員として採用したところです。 2歳のときから養護施設で育ち,幾つもの職場体験をし,断られ続けてきた彼女が昨年の暮れに事務所に面接に来たその日に,卒業したら必ず雇うと約束をして励まし,彼女の自立を支援する取り組みを始めました。取り組みをする中で制度の矛盾に当たりました。彼女に限らず,親に遺棄されるなどさまざまな事情で養護施設に入所していた児童は,18歳になると原則として施設を出なければなりません。その場合,親やその他の保護者に引き取られると保護者に対して特別児童扶養手当が支給されます。また,障害者のグループホームなどの施設に入所した場合も同様でございますが,養護施設で長年庇護されて生活してきた児童が特別支援学級卒業後,就職をして保護者もしくは監護者がいない状況で1人で生活をする場合には特別児童扶養手当は支給されないのです。つまり,障害年金が受給できる20歳になるまでの2年間,何の援助もない谷間に置かれるのです。 知的障害というハンディを持ちながらも就労して自立しようとする者に対して,この2年間は何の経済的援助もないのです。現在のところはこの谷間は生活保護で埋めるしかないわけですが,障害者支援として制度をつくるべきだと思います。県障害保健福祉課も,この制度上の矛盾には気がついていながらも,国に対してのアクションは起こしていないとのことでした。 このような制度上の谷間を埋める支援策を県,国に対して強く要求していくべきではないでしょうか。また,市単独でも何らかの支援策を講じるべきだと考えますが,市長の御所見をお伺いいたします。 最後に,公契約について少しお伺いをいたします。 公契約につきましては,6月議会で同会派の田鍋剛議員が質問され,具体的に問題提起と提案を行いました。競争入札による低価格が品質の低下や安全性,賃金や労働条件の悪化を招き,最低賃金では生活保護を下回る場合がある等々の実態が明らかにされました。それらに関して,市長,総務部長も私たちと共通する問題意識をお持ちだとの認識もいたしました。 現在,入札契約制度基本方針の策定に向けて,有識者の方々による検討委員会が行われているところでございますが,1つには,問題が多い一般の業務委託の平均方式について,2つ目には,最低賃金を守れば法に抵触しないということではなく,一定の賃金設定をすべきだと考えますが,その2点についてどのような方向で論議がされているのか,お聞かせ願いたいと思います。 これで私の1問を終わります。 ○副議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 幾つか御質問をいただきましたので,順次お答えを申し上げます。 まず,人権施策推進本部と所属長の差別事件,人権侵害の対応についてお答えを申し上げます。 まず,昨年の消防局の差別事象に続きまして,今回高齢者支援センターでの市職員による差別発言が発生をいたしまして,人権施策推進本部の本部長として深くおわびを申し上げます。 今回の差別発言や昨年御指摘をいただきましたケアマネジャーのプラン作成の件,また頻発をしております生活保護受給者の方によります差別発言など,さまざまな発言もございまして,8月下旬から9月上旬まで計4回,健康福祉部の生活福祉課及び介護保険課の職員の方々を対象に,人権研修の講師として全国での実績も非常に豊富でございます部落解放同盟高知市連絡協議会の森田顧問を講師としてお招きし,みずからの厳しい差別体験を交えての心に響く研修を実施していただきましたことに感謝を申し上げます。 人権施策推進本部員,そして各所属長は,人権行政をさまざまな分野で,そのいわゆる厳しい差別を常に認識しながら,みずからの職責を十分認識いたしまして,日々人権意識の向上に努めていく責任を負っているところでございます。 今回の支援センターにおける差別発言につきましては,指導的な役職にある者が,差別発言の提起があった初期の段階におきまして,その差別性をすぐに認識できなかったことが今回の大きな問題であるというふうに認識をしております。本部職員や所属長は,今回の差別事象の重大性を改めて認識し,同和問題を初めとするさまざまな人権課題についての自己研さんを継続して重ねていく必要があるものと痛感をしております。 高知市では,人権研修推進員であります各課長級の方々に毎年人権研修を行い,またその研修の内容を各所属長が職場に持ち帰りまして,人権研修を実施しているところでございますが,各職場での研修内容やその実施方法につきましても,ややもすると定型化しているということもございまして,課題があると認識をしております。 今回の差別事象への対応を反省しながら,いかにして実のある効果的な人権研修の推進をしていくかが我々も大きな課題でございますので,さらに充実した内容となりますように実践的な研修に努めてまいりたいと考えているところでございます。 次に,戸籍関係の事前登録型本人通知制度についての御質問にお答えを申し上げます。 御質問の中でも御指摘がありましたように,行政書士という非常に社会的にも高い信頼性を寄せられている立場を悪用して,戸籍謄本等を不正に取得し人権侵害に加担するような行為は,人権擁護の観点から決して許されるものではなく,また行政書士自体の社会的信用を著しく失墜させる行為であり,そのことを許すわけにはいかないというふうに考えております。 差別意識や偏見から興信所などに身元調査を依頼する人が今も社会に存在し,同和問題に関する偏見や差別が依然として残っているということが大変残念でございます。 身元調査は,ほとんどの場合同和問題につながっていく事例も多いと認識をしておりまして,御本人には何の責任もない,いわゆる出自や家庭環境などを調査され,それを理由に結婚や就職の際に不当に差別されていくということは許されない行為であり,同和地区出身の方々や在日外国人の人々の基本的人権が侵害されるものでありまして,憲法の基本的人権を保障する理念にも違反をしていると考えているところです。 この事件後,個人情報保護の取り組みが進みまして,平成20年5月に住民基本台帳法,そして戸籍法が改正をされまして本人確認制度が確立をし,また司法書士や行政書士等の業による請求につきましても,従前とは異なり住民票の写しや戸籍の謄抄本の必要な理由や事由につきまして明記をすることが義務づけられました。 しかしながら,御質問にありましたように,現行の制度では住民票や戸籍等が不正に取得をされました場合に,本人がそのことを知る機会がないのが現状でございます。 御提案の本人通知制度は,不正請求の発見や事実関係の究明の可能性が高まることもできますので,制度導入によりまして不正請求を防止する抑止力も期待をされるところであります。この本人通知制度の実施に当たりましては,要綱の制定や市民の皆様方への周知の徹底,住民基本台帳システムへの検索機能のシステム改修など幾つか課題整理が必要となりますので,先行しております自治体の事例等を参考にしながら検討を進め,できましたら来年度の早い時期から実施をしてまいりたいと思っておりますので,具体面を詰めてまいりたいと思っております。 次に,障害者雇用に関する御質問にお答えを申し上げます。 本市では,昭和61年度に障害者の方々の採用枠を設けまして職員採用資格試験を導入し,市町村合併によりまして採用試験を抑制しておりますので平成16年度は除きますけれども,それ以外の年は毎年障害者の方々を対象とする試験を実施いたしまして,昨年度からは点字試験を取り入れるなど,採用にも努めてきたところでございます。ただ,現在のところ知的障害のある方までの採用には至っていないところでございます。 しかしながら,公的機関には,先ほど御指摘もいただきましたとおり,みずから率先垂範して障害者雇用の取り組みが求められておりまして,また国の関係当局からも,障害者雇用の拡大に向けましては直接いろんな意味で御指示をいただいているところでもございます。 御指摘いただきました知的障害のある方々を含めまして,市役所内での事務や事業の中でどういった事務や作業等がそれぞれの障害特性に合っているかどうか,どういう形態での雇用が望ましいのかどうかという課題につきまして,具体的に検討をしていかなければならないと考えているところでございます。 市長部局におけます障害の種別の雇用状況ですが,本年6月1日時点で申し上げますが,身体に障害のある職員の方が全体で23名,精神に障害のある職員の方が1名,知的障害の職員はゼロということになっております。障害者雇用促進法によります高知市の雇用率はこの6月1日時点で1.94%で,先ほど御指摘いただきましたように2.1%を下回っている状況にありますので,さらなる努力をしていかなければならないと思っております。 このため,本年9月末から実施をする予定であります職員採用資格試験では,障害者の方々の枠での募集人員をこれまでの1名程度から4名程度までに拡大をしたところでありまして,今後とも障害のある方の雇用促進には積極的に取り組んでまいりたいと思いますので,御理解をお願い申し上げたいと思います。 次に,児童養護施設等を退所されました障害者の方への経済的支援の御質問にお答えを申し上げます。 このたびは,市立養護学校の卒業生の雇用を実現いただきまして,またその方の自立を御支援を賜っておりまして,いきいきシルバー会の皆様方に厚くお礼を申し上げます。 現在,障害者の方々への経済的な支援としましては,先ほども御紹介をいただいておりますが,国の制度といたしまして障害基礎年金や特別障害者手当,特別児童扶養手当など各種手当,また県制度の重度心身障害児療育手当などがそれぞれございますが,20歳以上が障害基礎年金,20歳未満の場合は特別児童扶養手当等を中心に支給をされるという制度になっております。 しかしながら,谷間の方々がおられまして,今回御紹介いただきました方は,保護者の方や養育者の方がいないために援助を受けられないという谷間に落ち込んでいるところでございます。このような方々を調べますと,現在市内の児童養護施設に入所されています障害者の方々は15名おられまして,18歳に達しますと施設を退所される際には同様の問題が生じてくる可能性がございます。 障害者の方々の自立にとりまして,経済的な自立を図ることは最も基礎的な重要な条件でございますので,対象事例が少ないとはいえ,制度の谷間を埋めていくということは大変重要だと考えております。 現行制度の谷間を埋める見直しにつきまして,県とともに国へ積極的に要望をしてまいりますとともに,高知市としても何らかの支援が可能かどうかということもあわせて検討してまいりたいというふうに考えております。 その他の御質問には担当部長からお答えを申し上げます。 ○副議長(山根堂宏君) 中澤総務部長。 ◎総務部長(中澤慎二君) 契約制度についての御質問にお答えいたします。 まず,一般の業務委託の最低制限価格平均方式についての御質問でございますけれども,現在本市では,平成19年度から清掃業務や浄化槽の維持管理業務などについて,低い入札価格の5社を平均して,その8割を最低制限価格とする方法を採用することによりまして,低価格入札が続いておりました業務のダンピング対策に一定の効果は見られているというふうに考えております。 しかしながら,多くの入札者が低い価格で応札した場合にはその効果も薄くなり,労働条件の悪化や安全対策の不徹底が懸念されるなどの課題もございます。そうしたことも含め,現在外部の有識者による検討委員会の中でいただいている御意見等も参考に,予定価格の積算根拠の統一や最低制限価格の設定方法の見直しなども検討してまいりたいと考えております。 次に,最低賃金以上の一定の賃金を設定すべきではないかという御質問でございますが,労働者の賃金,就業時間,休息その他の勤労条件に関する基準は法律でこれを定めると憲法に規定されており,これに基づき労働基準法や最低賃金法などの法律が定められているところでございますので,他都市で取り組みが進められている最低賃金を超える一定の賃金の支払いを規定する公契約条例の制定につきましては,現在検討いただいております委員会での御意見とともに,今後とも国や先進都市の動向の把握に努めながら対応してまいりたいと考えております。 ○副議長(山根堂宏君) 竹内千賀子議員。 ◆(竹内千賀子君) それぞれ御答弁ありがとうございました。 事前登録型本人通知制度の導入につきましては,来年度の早い時期に実施されるということでございます。ありがとうございました。 戸籍等の不正取得は,部落差別に利用されるだけではなく,虚偽の婚姻や養子縁組にも利用され,消費者金融からの借り入れなど金銭トラブルに発展する例も少なくないということでございますので,来年度の本当に早い時期の導入を重ねてお願いしておきます。 障害者雇用でございますけれども,ことし9月から4人程度に増員するということでございますけれども,それは法定雇用率の範囲内の人数ですか,それとも法定雇用率を超す人数でしょうか,お答えは後で聞きますので結構でございます。 それから,障害者支援制度の谷間の問題,これは県も市も指摘されるまでもなく矛盾を感じていたということでございますが,矛盾を感じていながら何も手を打たない行政というのは一体何だろうかと,こういうふうに思うわけでございます。 今生活保護で差額を保障しておりますが,生活保護のほうが市単独の制度をつくるより持ち出しが少ないということはだれでもわかりますけれども,単純に生活保護でよいということではないと思います。人間の尊厳をどう守るのかを基本に置かなければ,前に進むことはできないと思います。施設に押し込むことではなく,地域の理解とほんの少しの支援があれば人間としての尊厳を持った生活ができる知的,精神障害者がいるわけです。ぜひとも本気で取り組んでいただきたいと思います。 それから,入札契約制度基本方針の策定に当たっては,公契約による事業で働く労働者の現状を十分に踏まえた上で,憲法25条の生存権をどう保障するかということを基本に置きながら方針を出していただき,公契約条例の制定につなげていただきたいということを切に望んでおります。 時間が来てしまいましたので,これで私のすべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。  〔戸田二郎君登壇〕 ◆(戸田二郎君) 自民みらいの会,戸田でございます。寂しくて,そしてとてもせつない秋がとうとうやってまいりました。ことしの夏は大変な猛暑で,私も熱中症寸前にもなりながらも,ビール大好き,夏大好きの私は,この夏こんなにも日やけをしてしまいました。 さて,民主党の代表選挙ですが,まだ決まっていませんね。いないと思うんですが,あの代表選挙を見ておりまして,同じ党内であれほど火花を散らすのかということをちょっと疑問に思うところもありますが,相手を尊重し,そして相手を敬う我が自民党では到底考えられないことであります。口先だけの菅,悪の壊し屋小沢,期待できませんね,市長。首をこういうふうに縦に振っても会議録には載りませんのでよろしいんですけれど,と私は思っております。 それでは,第422回高知市議会定例会,通告を2つしてありましたが,時間の関係もございまして,2つ目の教育行政についてはまたの機会とさせていただくことにして,図書館に関してのみとさせていただきます。 去る8月24日に行われた市長と尾崎知事とのトップ会談は大変大きな反響がございました。まさに高知県,高知市にとって,文化的,そして歴史的にもとても大きな会談となったわけであります。この年末の高知新聞の10大ニュースには当然入るものではないかと私は思っております。余り言いたくはありませんが,橋本大二郎とかという前の知事さんでは考えられないことではないかなと私は思います。市長もそうお思いになっていると思いますが。高知県立図書館と市民図書館を追手前小学校敷地へ移転合築に合意し,県市統合図書館の実現に向けて大きく前進した,その英断を私は高く評価いたしますことをまず最初に申し上げておきます。 私は,同会派の故高岡康男議員の影響もあってのことですが,高知市民図書館を追手前小学校へと言い始めてかれこれ10年近くになるわけでありますが,やっとここまで来たかと感慨深いものがございます。当初は,中心4校の統合が理想で,望ましいとしながらも,追手前小学校と新堀小学校の統合がそうたやすいものではないと,そう思っておりましたので,追手前小学校へ市民図書館を併設して,そしてさらには運動場を最上階へ整備し,そして県市統合図書館構想も申し上げてきたことをこの質問の原稿を準備しておりまして思い出したところでもございます。 ところが,市長は御自身の政治生命をかけて,これまでなし得なかった新堀小学校と追手前小学校統合という大きな仕事をなし遂げたわけであります。その移転後の追手前小学校敷地に市民図書館を建設するというお考えは,両小学校の統合案と同時に持っておられたことでありますし,早くから市長御自身が述べておられたことも事実であります。つまり,図書館ありきの追手前小学校統合移転とも言えるわけであります。 このたび,知事との会談で両図書館合築の合意に至り,さきの私たちの会派説明で一通りの説明がございました。私たちは,実現に向けてこれからは最大限の努力をしなければなりません。この議会はもとより,各方面からは,手法やその手順,図書館建設の理念などさまざまな御意見もあろうかと思います。図書館の県市合築には賛成の立場でかねてより申し上げてきましたので,ここで市長をよいしょするという,私なりに応援するつもりであります。そして本会議質問で問いただすこと,さらには一問一答方式での質問は余りなじまないわけでありますが,確認の意味もありますので,以下,何点かの質問をさせていただきます。 なお,細かな,そして愚かな質問で,今でなくてもよいとお思いになるかもしれませんが,これからの検討委員会や基本構想,少しでも生かしていただかなければなりませんので,そのおつもりでお願いいたします。けさ1番の高木議員の質問とも重なる部分が多々ありますので,省略する部分もあろうかと思いますが,もしも重複がありましたら,市長,遠慮なく午前中の質問で答えたじゃないかと言うてください,もしありましたら。 まず,それでは市長の目指す高知市民図書館像を簡潔にお聞かせください。 ○副議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 高知市民図書館の図書館像ということでございますので,少しお答えをさせていただきます。 午前中の高木議員さんの御質問の中でも一部御紹介しましたが,高知市の市民図書館は本当にすばらしい歴史がございまして,午前中にお答えしたこと以外でも,例えば移動図書館も全国初でございますし,そして出版事業等もあれだけ大規模にやったのは全国初でもございます。また,図書館が主催をします映画鑑賞会,これも全国初でございまして,市立市民図書館は画期的な取り組みをしてきておられます。これまで61年間の積み重ねによりまして,現在本館,6分館,15分室,移動図書室,そして子ども科学図書館と大変大きなネットワークが形成されておりまして,利用者の方々や御支援いただきました方々に感謝を申し上げます。 最近の図書館は,少し午前中も触れさせていただきましたが,本を貸し出す,またいろんな情報を提供するということ以外に,最近の図書館の機能としまして,さまざまな住民の皆様方の課題解決の糸口になる情報を提供するというのが大きな機能となっております。 例えば,他都市では,午前中に紹介申し上げましたような医療や健康情報の提供,また産業関係では各種ビジネス関係の支援という形でいろんな産業の支援も行っております。また,高知県にも向いておると思われるのは,興味深いところでは図書館で農業関係の支援を行っているところもございます。農業者の方々はいろんな意味で病害虫と常に闘っておりますので,農作物に病気が出たときに,これはどういう病気で,どういう農薬が効くか,そういうところまで図書館がバックアップして農業の支援をしているところもございます。 こういうように図書館はさまざまな機能を今持とうとしておりますので,やはり21世紀にふさわしい形の図書館像というものを我々も探っていきたいというふうに思っておりますし,市民図書館はそれだけの歴史を持っておりますので,その歴史を大切にして,そのことを踏まえて新しい図書館像を探っていきたいというふうに考えているところでございます。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) はい,ありがとうございました。市長のさまざまな機能を持たせた図書館ということでありますので,よろしくお願いいたします。 それでは,教育長にお尋ねするんですが,今市長から図書館像についてお答えをいただきましたが,本当に市長が政治生命をかけて合築に動き始めた,この図書館の合築構想に市長と本当に同じ思いなのか。そして,県との図書館合築がベストとお考えなのか,一番近い責任者であります教育長にお尋ねいたします。 そして,市長が先ほど答えていただきましたが,教育長の目指す理想像を簡潔にお答えください。 ○副議長(山根堂宏君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) まず初めに,市長の思いとはどうかということでございますけれども,全く一緒でございます。教育委員会といたしましては,市民,県民の皆さんから本当に合築してよかったと,またすばらしい図書館ができたというふうに評価いただけるような,そういった図書館にしていきたいというふうに考えております。特に,市民図書館本館がその役割と機能を十分発揮できるように,検討,制度設計をしていくことが肝要であるというふうに考えております。 私の目指す図書館像なんですけれども,その第1は,多くの市民の皆さんがまず最寄りの図書館あるいは分館,分室で読書に触れるその喜びを味わう,そういう場を提供したいというふうに考えております。また,目的の本がないとなれば,パソコンで検索したり,最寄りの図書館へ取り寄せを行ったり,あるいは直接県市の新図書館や大学の図書館などに足を運ぶ,そういうふうに活用していただけるような,そういった図書館でありたいというふうに思っております。 第2は,市長からも先ほど話がありましたけれども,専門分野も含めた暮らしや仕事に役立つ,地域の方々の課題を解決するための情報が得られるような,課題解決を支援する図書館でありたいというふうに思います。 また,第3としては,特定の情報とか資料を検索し提供すること,あるいはその情報の探し方を案内するといったレファレンスサービスの提供が充実した図書館であってほしいなというふうに思っております。 こうしたことから新たな図書館には,図書館のネットワーク全体で市民の読書環境を整え,また情報を提供していくという役割が重要であるというふうに思っております。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) 今お答えいただきました教育長の信念を持っての市長と同じ思いということを信じております。 私は,過日,何事においても私たちの高知県とはワーストでおなじみの島根県に行きまして,島根県立図書館,そして松江市立中央図書館,さらには近隣四国3県,愛媛,香川,徳島のそれぞれの県立図書館とそれぞれの県都の市立図書館は知っておきたいと思いまして,そんな思いから視察をしてまいりました。それぞれの館長さんや現場の方々にはとても親切,丁寧に対応していただきまして,心からお礼を申し上げる次第であります。 そこで,高知市が高知県立図書館と高知市民図書館の統合合築に向けて県市のトップリーダー間で合意し,平成26年の完成を目指していることを御説明いたしまして,これを御当地の県市の図書館に置きかえて,もし御当地の県市の図書館が合築するとしたらいかがですかと,そういうふうに御意見を求めましたところ,四国3県の館長さんはもう既に高知の県市合築のニュースはほとんどの方が御存じで,さまざまな御意見を聞かせていただきました。 すると,やはり役割や機能の違いを強調しながらも,合築への不安や疑問の声も当然ありました。それより何よりも,合築という発想も,そしてその必要もなく,考えも及ばなかったというようなお答えが大半でありました。そして,高知県は県と市の統合がお好きなんですねと,ある市立図書館の館長さんに言われたことが非常に印象的でありました。 本県では,先月24日に知事との合意がなされて以降,合築に反対する県民の動きも見えてまいりました。私が新聞紙面で確認できた中で,高知の図書館を考える県民の会代表,大谷工科大学教授は,追手前小学校では対応できない,合築はできないと,面積にも問題があるとしております。また,大原高知こどもの図書館長や武市南国市立図書館長が,両館の機能が違い,合築すれば市町村支援機能などに問題が起きるとして,県と高知市に高知県図書館協会の合築反対の決議文を提出しております。 また,新聞の投稿欄でも多くの反対意見を目にいたしました。いずれの反対理由にも,県,市図書館の役割,機能の異なりを上げております。県立図書館の重要な役割である県下の市町村の支援が,合築によって機能低下するおそれがある。また,追手前小学校敷地約1万平方メートルは手狭であるとしております。 高知新聞が8月23日から26日まで4回の連載で,県立図書館どこへでは,丸地前高知県立図書館長,そして千浦前高知市民図書館長,そして最後に日高村立図書館員の方,これで合築反対の本音が見てとれました。私は,やめた館長に,しかも合築に強固に反対する元館長さんたちだけに聞いて,このタイミングがいかがなものかと思うところであります。何を言いたいかと申しますと,高知新聞にはもう少し公平に扱っていただきたいと,私はそう願うものであります。 いずれにいたしましても,他県とほぼ同様ですが,合築を望んでいない方々,そのほとんどが図書館長や図書館員,元図書館に勤務した人たちであります。図書館法に定める公立図書館の目的や機能,運営のあり方,役割を十分心得た専門家の方たち,そして現場の声でありますから,当然重きものがあります。 しかし,皆さんが特に強調される機能低下が,私にはいまだに理解しかねているところでありますので,これは市長に質問というよりは,御教授を願いたい。市長,よろしくお願いします。 ○副議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 私も専門家ではございませんので,行政としての答弁にさせていただきますけれども,今回の県市の新しい図書館の合築構想につきましては,全国初の取り組みということもございまして,特に図書館にこれまで携わってこられました方々からは,一体これから県立,そして市民ともにどうなるのかという御心配や懸念の声もあるということを認識もしているところでございます。 新しい合築の図書館のあり方でございますが,これまでも何回かは触れてまいりましたけれども,県立図書館が一つの場所にあって,本が1つのカウンターで基本的には借りられる,また1枚のカードで借りられるということを目指しておりますので,利用者の方々の県民,市民の利便性は飛躍的に高まるというふうにも思っておりますし,合築することによりまして相当経費も削減ができるということでございますので,その部分の予算関係をさまざまな図書の振興にも充てることができるということで,メリットは十分にあると考えているところでもございます。 それぞれの課題,特に今御質問等が新聞に出されておりますのは,県立図書館の機能が低下するということを特に言われておりますが,知事も常々おっしゃっておりますが,決してそんなことはないと。むしろ機能分担をきちっと行うことによって,県立図書館の支援機能というものは高めていくということをはっきり明言しておられます。県立図書館の大きな役割,使命といたしましては,県下の市町村図書館の支援,それから県下の学校図書館の支援等,やはり重要な役割がございますので,その部分をさらに充実させていくということは尾崎知事も常々明言をされておりますので,その機能がそれぞれ低くなるということは我々は想定をしておらず,むしろそれぞれの機能を高めていくということを目指しているところでございます。 また,そのことにつきましては,これから始まります基本構想の中でも明確に示しながら,さまざまな課題については1つずつ解決をしていく方向性を見出したいと考えているところです。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) 市長,よう言うてくれました。よかった,よかった。それでいいです。 本県では,県立図書館と県下すべての図書館長が合築に反対しているとお聞きいたしました。そこで,教育長にお尋ねしたいんですが,本市では本館,分館,分室も含めて現場の御意見はいかがなものか,お聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(山根堂宏君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 県,市の大きな図書館の合築ということで,先ほどもありましたように全国でも例がない取り組みでございますので,市民図書館の現場におきましても,その懸念あるいは不安の声は上がっているというのは事実だろうと思います。今後,こういった問題については,十分協議を進めてまいりたいというふうに考えております。 現在,検討課題の洗い出しを進めておりますが,現場の業務は,蔵書管理あるいはカウンターサービス,物流などの既定の流れがございまして,これらについての県,市の調整や,またバーコードとかシステム統一ということになりますと対象が150万点を超えるというふうなこともありまして,大変質的にも量的にも多くの課題がございます。現場ではこれらの課題を,体制とか予算も含めまして,今後どうしていくのかということの検討を始めているという状況でございます。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) 千浦前市民図書館長の別のコメントを先月の高知新聞紙面に見つけましたが,その内容は,県,市図書館のコンピュータシステムが異なるので,統一するのには年単位,これが1年なのか,2年なのか,3年なのか私にはわかりませんが,年単位の閉館,つまり図書館の休館を余儀なくされると。そして,そのための経費がかかると。さまざまなそういった問題をクリアしようとすると費用がかさんで,コスト低減には決してならない。無理をすれば図書館機能が破綻するとまで言われたそうでありますが,これも私にはとても理解できません。1年もしくは2年,3年休館と言われて,図書館機能が破綻するとまで言われれば大変気にはなるところであります。 千浦前館長の言われたことをどのようにとらえておられるのか,市長か教育長,どちらかにお答えいただきたいと思います。 ○副議長(山根堂宏君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 前館長が懸念されているようなことにならないように,全力を挙げて取り組んでいかなければならないというふうに考えております。 新図書館の蔵書数というものを考えますと,確かに長い休館の期間が必要となりますけれども,今後専門家の御意見等を聞きながら,あるいは先進事例も調査して,できるだけ閉館期間を短縮するようにしていきたいというふうに考えております。 また,2つの大きな図書館が合築しますので,両館の図書データでありますとかコンピュータシステム等の調整などが考えられますが,これも建築費とか運営費等の削減効果によりまして十分対応できるものというふうに確信をいたしております。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) そういうふうな懸念はありますが,ならないようにという,まあ今の段階でなかなか見えてこない部分もあろうかと思いますが,よろしくお願いいたします。 先月20日,県内の図書館の職員らを対象にした研修会がございましたね。その講演で講師の菅原さんは,県は金と知恵で市町村の図書館を支援すべきで,県立図書館は不要。県立図書館を持つよりも,県全体の図書館行政に力を注ぐべきと,そう強調した上で,市町村の図書購入費や図書館建設費などの援助をする予算づくりを求めたというふうに新聞報道で私は知りました。 13町村に図書館がない読書環境最悪のこの高知県であります。ちなみに,私が最近視察いたしました島根県はゼロ,愛媛県は4町,香川県は3町,徳島県は5町に平成の合併後の今なお図書館がない状態とお聞きいたしました。本県に比べればはるかに読書環境がよいことが見てとれますが,講師の方が大胆に言われました県立図書館不要,このことが高知県に当てはまるのか。市長は県立図書館不要論をどのように感じられたのかお伺いいたします。 ○副議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 先日の菅原先生の講演でございますが,新聞報道でも全部は書かれていなかったんですけれども,県立図書館をめぐる発言につきましては,県立図書館として県全体の図書館振興や県内での市町村図書館への支援,学校図書館への支援の重要性を指摘するものであり,本や情報を提供するという直接サービス的なものは,県立ではなくて市立図書館の本館に任せたらどうかというふうに述べられたものと理解をしております。 そういう意味で,県立図書館がなくていいという不要論ではなくて,県立図書館には本来の役割であります県下の市町村の図書館ネットワークを支援する。また,子供さんや学校関係での図書館支援,生涯学習支援などさまざまな役割が県立図書館にはございます。具体的な形は今後の検討委員会の中で詰められてまいりますけれども,こういう県立図書館の本来の役割がありますので,県立図書館が要らないということにはならないと思いますし,むしろ県立図書館の役割を特化していくということにつなげていくということになろうかというふうに思います。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) 私が先日視察したある県立図書館の,これは館長さんではなくてある司書の職員の男性でしたけれども,その方は個人的とは言いつつも,不要論を私が聞いたところ,同感だと。市町村が自立さえすれば,後はむしろ道州制も見据えて,四国の県立図書館は4県が統合してもいいんではないかと私は思うというふうに,そんな声が聞かれたわけです。非常に興味深いことでありました。これは参考までにですけれども。 それで,少し聞いておきたいのは,以前,追手前小学校へ図書館を建設するのならば,中心市街地の活性化,商業施設の複合化をとの声もあったように記憶しておりますが,ここに来てその声は影を潜めているようにも思われます。私の個人的意見としてはその必要はないと考えるものでありますが,市長はどのようにそのことをお考えになっているのか,複合化についてでありますが,お答えいただきたいと思います。 ○副議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 今回の合築による図書館の構想ですけれども,あくまでも図書館機能を中心に考えておりますので,現在図書館施設の建物本体の中に,例えば商業系の施設を組み込むということは考えておりません。あくまでも図書館機能を充実させていくということを考えております。 商業関係でいいますと,むしろ隣地の民地であります旧ダイエー跡地の有効活用の方向性というものが,商業系,そして中心部の商業関係の振興ということには重大に連携をしますので,そちらの動向ということが,むしろ非常に我々も今後方向づけをしていかなければならないということになろうかというふうに思います。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) はい,市長わかりました。 次は,新図書館の駐車場についてでありますが,1番の高木議員の質問でもありましたので,私なりにちょっと浅知恵で言いたいと思いますが,現在県,市ともに駐車場がないわけで,利用を非常にしづらい一番の問題でありまして,新図書館にはなくてはならない,最優先されるべきものであると私は考えます。 私の本当に浅知恵の試算ではありますが,単純に1万平方メートルの敷地に延べ床面積1万3,000平方メートル,3階建てとした場合,建築面積は4,500から5,000平方メートルになろうかと思いますが,残りの5,000平方メートルを6割程度駐車場整備ができるとしたら,平面利用の場合150台から160台,4階建てならば200台程度の駐車が可能と考えられます。 けさの教育長のお答えで,あれは条例ですか,1万3,000平方メートルの床面積でしたら25台以上必要だということでありましたが,25台などでとてもおさまるようなものではなくて,仮に県市合わせて年間来館者100万人を想定したときには,そのうちの半分が車で来るとして,稼働日数300日で割って割り算を繰り返していくとやはり百六,七十台は要る計算に私の頭の中ではおさまったわけですが,まあ幾らかわかりません。地下1階か2階も考えましたら駐車台数はまだまだふえる計算になるんですが。 過日私が視察した何件かの県立図書館は,いずれも郊外にあるということもありまして,広大な駐車場がございまして,当然無料。市立は中心市街地にあるということもあって有料ですが,1時間がほとんど無料で,その後30分ごとに100円が加算されるというふうな料金体系になったわけであります。 そこで,本市の場合,立体駐車場にすれば収容台数は大幅にふやせますが,景観面で問題もあろうかと思います。地下駐車場は工期やコスト,管理面で苦い経験もありますし,余りお勧めはできないわけでありますが,そこで新図書館の駐車場はなくてはならない附帯設備であります。市長は,けさ高木議員のおっしゃったこととは別に,どのようにお考えかお答えいただきたい。これは簡潔にお願いします。 ○副議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 駐車場につきましては,県市合同の検討会議の中でもさまざまな御意見があるところでございまして,周辺に民間の駐車場が非常に多いということもございます。また,中心部で公共交通機関の利用も想定をされるということでございますので,まだ台数まで特定をされているところではございません。これは県市合同会議の中でもまだ結論を出していないので,これからの構想検討委員会の中で論議を詰めていかなければならないというふうに考えております。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) 先ほど,市長,私が百五,六十台と言ったのは,100万人の来館者という自分なりに計算をしてこうなったわけですが,ほぼそれくらいは必要でないかと思われますので,よろしくお願いしておきます。 関連で,先ほど市長もちょっと商業施設の件で触れられましたが,ダイエー跡地についてでありますが,跡地約3,800平方メートルは,現在東側の一部が有料駐車場になっております。西側の約3,000平方メートル余りの大部分が今なお利用されないままとなっております。帯屋町アーケードに面し,追手前小学校に隣接したこの土地は,地権者は大きく分けて2地権者であるようでございますが,使い方によっては一等地にも値するかもしれません。しかし,商業以外にはとても利用しづらい土地のようであります。合築反対理由の中には面積不足を指摘するものもあります。市長と尾崎知事の今の関係は,およそ過去に例がないほど良好であることはだれもが認めるところであります。 そこで,この際甘えついでにウルトラCでこの土地を県に取得していただいたらと,市長なら言えるんじゃないかと,そう勝手に私は思うんですが,市長,どう思いますか。 ○副議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 県市連携のもとで,尾崎知事にはさまざまな形で高知市に多大なる御支援もいただいておりまして,野球場の支援を初め多くの財政的な支援もいただいて,本当に感謝申し上げております。 ただ,ダイエーの跡地までを,この民営地を県に取得してもらうことまでは考えておりませず,それはやっぱり民間のさまざまな今後の動き,またそれを誘導する我々行政がどういう形で誘導できるかというところが本筋となろうかと思いますので,現在論議しております東西軸エリアの活性化プランなどの中でさまざまな総合的な検討をしていかなければならないと考えております。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) 事情はわかりました。もうそれ以上のことは言えませんので。 次は,スケジュールについて少しお聞きしたいと思いますが,平成22年度基本構想,23年度基本設計,24年度実施設計,25年度,26年度,解体,埋蔵文化財の調査,建設工事となっておりますが,今定例会に基本構想検討委員会経費として,県と折半でとはいえ550万円の事業予算が組まれております。これは,同委員会はいつごろ立ち上がるのかお答えいただきたい。それで,メンバーをお聞きしたかったんですが,これはけさ高木議員の質問にございましたので結構です。よろしくお願いいたします。 ○副議長(山根堂宏君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 基本構想検討委員会は,10月に高知県議会が終わり次第スタートをさせたいと考えております。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) はい,わかりました。本当にスケジュール的にも時間がございませんので,急いでいただきたいものであります。 以前にもお聞きいたしましたが,追手前小学校の敷地,現在第1種住居地域でありますが,当時の都市整備部長は,図書館の設置やダイエー跡地を含めた市民にとって最善の土地利用を図るべく検討しているし,追手前小学校の土地利用の全容が具体化した段階で検討するとお答えになっております。 その全容が具体化したと私はとらえておりますが,今,実施設計の平成24年度,つまり追手前小学校移転統合前に行うのか,スケジュールのどこに用途変更を入れるのかをお聞きいたします。 ○副議長(山根堂宏君) 海治都市建設部長。 ◎都市建設部長(海治甲太郎君) 用途地域の変更の検討につきましては,本年度図書館の基本構想が具体的に方向性が示された後,平成23年度の基本設計までのめどといたしております。また,用途地域の変更の手続につきましては,公告縦覧,都市計画審議会への付議,知事との協議等の手続がございます。期間としましては,知事との事前の調整を行った後,一般的にはおおむね3カ月程度を考えております。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) 要するに,用途変更は基本構想が固まらない限り行わないし,用途変更なしには基本設計,実施設計には入れないということでよろしいですか。 ○副議長(山根堂宏君) 海治都市建設部長。 ◎都市建設部長(海治甲太郎君) そのとおりでございます。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) はい,わかりました。 次は,埋蔵文化財の調査についてでありますが,少し確認をしておきます。 追手前小学校付近は,藩政時代末期の城下図を見ますと,武士の階級でいえばお馬廻の屋敷が多くあったように見てとれるわけでありますが,平成25年4月以降,校舎の解体工事と並行して埋文調査が行われると思いますが,25年度,26年度の2年間のスケジュールに余り具体性がないように私には思えるのであります。ちなみに,平成5年に完成した香川県立図書館は,文書館ともに延べ床面積が1万4,000平方メートルでほぼ同規模であります。工事着工から竣工まで2年と2カ月を要しているということでありまして,とてもハード過ぎる2年間であるに違いなく,解体,埋文調査,建設などどのように配分をしているのかお伺いいたします。 この埋文調査の遅延が,平成26年度内の完成懸念があるがゆえのお尋ねでありますので,よろしくお願いいたします。 ○副議長(山根堂宏君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 御指摘のように,今回のスケジュールでは,埋蔵文化財の調査の期間が大変重要となってまいります。どれだけのものが埋蔵されているか現在のところわからない状態ですが,状況によりましては人材と経費を大規模に投入することで,それを念頭に置いて対応してまいりたいというふうに考えております。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) 余り取り越し苦労もいけないんですが,仮に埋文調査で長引いて平成26年度内完成が無理となったとき,合併特例債もありますが,国への対応はどうなさるのか,市長,ちょっとお答えいただけませんか。 ○副議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 先ほど教育長が答えましたとおり,埋文の調査にどのくらい期間がかかるかということは一つの大きなポイントになります。この点につきましては,やはり県の埋蔵文化関係のさまざまな調査員を含めて,人的な支援ということを我々も県にお願いをしなければならないということもありますし,県の教育長にもそのことは要請をしてきているところでもございます。 これは,県の教育長としてもできる限りの協力はするということはいただいておりますので,できるだけ短期間で調査を仕上げたいというふうに思っておりますが,仮に埋蔵文化調査等で工期が平成26年度内におさまらなかって27年度に一部繰り越した場合,そのときは総務省と繰り越しの協議をしなければならないというふうに考えているところでございます。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) その繰り越しの協議で合併特例債は有効なんでしょうか。それがちょっと心配なんですが,市長は,国が許してくれるというような何か裏づけがあってのことでしょうか。 ○副議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 正式な文書等はございませんけれども,そういうことも想定をしながら国と協議をしているところでもございます。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) はい,わかりました。 それでは,完成後の今度は移転,そしてシステムの切りかえなどに要する期間なんですが,つまり一定の閉館期間,休館期間を設けなければなりません。四国内で一番新しい香川県立図書館は,当初閉館期間を6カ月ほど想定していたということでありますが,それを一生懸命頑張って1カ月前倒しをし,5カ月の閉館期間であったそうであります。 先ほど申し上げましたが,千浦前館長は,県市システムの統合の場合,1年か2年か3年かわかりませんが,年単位の休館となるということでありました。どの程度の休館を想定しているのか。先ほど教育長が言われましたけれども,なかなかお答えしづらいと思いますが,これが仮に1年も2年も3年もだと大ごとですので,少なくてもこれくらいではしたいというお答えをいただきたいんですが,よろしくお願いいたします。 ○副議長(山根堂宏君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 基本構想検討の中で,これから役割分担とか統合する部分が明確になってまいりますので,それによりまして作業のスケジュールが決まってきますし,検討することになります。 今のところ休館期間を想定することがなかなか難しいんですが,先ほども6カ月というふうな形で県外の報告があったわけですけれども,それに近いような形で御不便をかけないような形をとっていかなければならないのではないかなというふうには考えております。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) 市長は,提案理由説明の中でICタグの導入についても言及しております。四国内では愛媛県西条市と大洲市とたしかお聞きしたと思いますが,その2館しか導入例がないということでありまして,私がお邪魔したそれぞれの図書館では,せっかく図書館が新しくなるのであったらICタグは絶対に導入すべきと,すべての館長さんがそう言われました。私も同感であります。 ぜひとも,金と時間がかかっても,ランニングコストなど将来負担や市民サービスを考えれば,少々無理をしてでも導入すべきと私は考えます。お考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) ICタグにつきましては,いわゆる蔵書管理を効率化するとともに,ICタグが導入できましたら,自動貸出機,本の貸し出しが自動でできる,また返却も自動でできるという返却機が導入をできますので,利用者の方々の利便性や,またいろんな意味での効率化にもつながってまいります。したがって,県市の新しい図書館におきましては,ICタグの導入ということを想定しながら検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) 市長,多くの図書館長が言われるようにこれは絶対に導入すべきであるので,ぜひ前向きに検討していただきたい,そういうふうに思います。 そして,スケジュールの前半に戻るわけでありますが,本年度から平成23年度中に基本設計まで完了させるスケジュールでありますから,とてもハードであります。前半もとてもハードであるに違いないわけで,知事も市長も幅広く県民,市民の意見を聞くと言われました。しかし,来春には統一地方選挙,そして秋には知事と市長の選挙があります。市長選挙まで,この定例会が終われば1年余りしかないわけでありまして,当然図書館については公約でもありますし,御自分の選挙までにどこまでやるのか,どこまでできると考えているのか,市長にその順序をお示しいただきたいと思います。 ○副議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 市長選挙とは別にいたしまして,高知市として行政としてのスケジュールをまず立てていかなければなりませんので,本年度,ここが一番重要になりますけれども,新しい図書館の方向性を決めていく基本構想の策定に入りますので,ここが非常に重要になると考えております。 予算的には,平成22年度から23年度にかけてということを想定しておりますが,やはりここで時間をかけられれば,じっくり基本構想の時間をとったほうがいいと考えているところでございます。基本構想が済んで基本計画,基本設計と進んでいくわけでございますが,来年の秋ごろには基本設計のスケジュールぐらいになっているのではないかと考えております。 この基本構想,基本計画,基本設計,実施設計,そして工事ということに入っていくわけですが,前段で御質問をいただきましたとおり工程表が非常に重要になりますので,それぞれ市議会,県議会で基本構想の予算を御承認賜りましたら,今後の工事までを含めました詳細な工程のスケジュールを組む作業というものを始めてまいらなければならないと考えているところでございます。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) 来年の秋の市長の選挙,それが大きな,それまでに,市長が先ほど言われたようにまさに基本設計真っただ中といった時期になろうかと。 けさの高木議員の質問でも,テープカットは岡崎市長がやるというふうなこともおっしゃいましたし,私もそのことを聞こうかと思うたら,なかなか市長は答えれんもんじゃき。この場で出馬表明を市長もすべきものではありません。しかし,市長の改選期をまたいで次の市長に図書館をバトンタッチするということもいけませんので,とにかく選挙を頑張らないけませんね。 新図書館の管理運営について,市長は民間委託を多分想定されると思うのでありますが,徳島市はもうすぐ新しい図書館に移転されるということでありますが,徳島市のように大手のTRC,つまり図書館流通センターに全面委託をして,館長以下全員がTRCの社員でありました。カウンター業務関連のみ地元の人材派遣会社に委託している松山市,さらに香川県立図書館のように地元の宮脇書店に窓口業務を委託するなどさまざまであるわけであります。とりわけ,TRCのような専門企業としては,ノウハウやICタグの開発からIC図書館管理システムの運用まで,とても有利な事業展開をしております。 しかし,少し時間はかかるかもしれませんが,地元企業でも十分対応できる分野と私は考えます。企業の育成のためには,民間委託が想定されるのでありましたら,今からその準備が必要と私は考えるのでありますが,市長はどのようにお考えか,お聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 新しい図書館の運営方法につきましても,基本的にはこれからの基本構想の中で論議を賜るところでございますが,御指摘いただきましたように新しい図書館では業務分担がかなり行われております。 ただ,我々は今の段階で全館民間委託というところまでは考えておりませず,やはり直営で行う部分と,そしてカウンター周りで,例えば委託とかNPOでやっていただく部分とか,分業になるということを一般的には考えているところでございます。 やはり,分業になる部分でできるだけ県内企業に委託をするということも当然考えていかなければなりませんので,地元企業の参入がどういうふうにすれば図れるのかというところもあわせて検討していく必要があろうかというふうに考えております。 ○副議長(山根堂宏君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) やはり民間委託では,県外大手がどうしてもプロポーザルで優位に立っておりますので,そのチャンスを与えるためにも,少し時間とリスクはあっても県内企業に今から,時間がかかりますので,それを市長にはお願いしておきたいと思います。 市長は,次の市長選挙,正式な出馬表明をこの議会ではすることはありませんし,多分市長は年末か年始あたりを想定されているのではないかと思いますが,1つ言えることは,知事とがっちり手を組んで選挙をすれば当然有利であります。この際知事を利用しない手はないと私は思います。市長御自身も思っていると思います。多くがそう思っているわけでありますので,市長,とにかく図書館も仕上げなきゃいけませんので,その前に我々の選挙もありますけれど,頑張っていただきたいと思います。 幕末,そして維新,この土佐は近代日本史に名を残す人材の宝庫であったことは言うまでもありません。土佐藩が優秀な人材を世に多く輩出した要因は,幕末土佐の政界で歴代藩主の中でも最も開明的な指導者であった藩主山内容堂と,容堂が見込んで家老に取り立てた吉田東洋,幕末の藩政改革と富国強兵策によって強力な軍事力を形成したこと,そして土佐独自の藩校教育にも力点を置いたこと,それらが背景にあるとされております。かつての高知県は教育レベルが高く,土佐人の知恵が自然の恩恵とマッチして元気な県であったはずであります。 夢のある子供たち,若い人たちを育てる環境づくりは,我々の責任でもあるはずであります。図書館は,いやしと集いの場所,ほっとする空間でなければなりません。きっと文化と情報が私たちのこの町を風格のあるものにいたします。私は,今改めて図書館の文化,情報の機能を見直す時期と考えます。読書を通し高知県の学力向上の底上げにも必ず効果があると信じております。 本市の財政は,言うまでもなくとても苦しい。しかし,先人たちは,そして当時のこの議会も,市民が食べることさえままならない戦後の復興期,その苦しいときに勇気を持って文化を,そして図書館を後世に,我々に贈ってくれた。後世に残せるものは文化しかない,そうおっしゃった人もおりました。まさに米百俵であります。我々も,次の世代の子供たちへ,そして若者へ贈り物をすべきではないでしょうか。市長にはぜひとも頑張っていただきたいと思います。市長の新図書館構想を応援いたします。そのことを申し上げて,質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(山根堂宏君) この際暫時休憩いたします。  午後2時42分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後3時0分再開 ○議長(水口晴雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 はた愛議員。  〔はた愛君登壇〕 ◆(はた愛君) 422回定例市議会に当たり,個人質問を行います。 今回,議案に債務負担行為として給食調理業務の委託費が提案されていますが,まず学校給食調理の民間委託問題について質問いたします。 平成21年4月から学校給食民間委託が試行され,ことし4月に試行検証委員会から報告が出されました。教育委員会はこの報告を受け,市内17施設,23校への民間委託を今後毎年2校ずつ行うという方針を示しました。この検証のあり方について問いたいと思います。 本来学校給食は,学校給食法に定められているとおり,生徒の心身の健全な発達などを養う上で行政及び学校が行うものとされ,単なる食事の提供ではなく,教育の一環として運営されるものです。実際,学校現場では,子供たちを中心に考えた取り組みが日々求められ,現場の先生や栄養士,調理員さんはチームとして連携し,一体的に学校給食を通し食育を進めています。 法のもとに行う教育としての学校給食ですから,直営であろうが民間委託であろうが,現場は連携こそが必要になってきます。まず,この点についての認識と,現状はどうなっているか,御所見をお聞かせください。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 学校教育におきまして,教職員が互いに連携することは非常に大事なことでございます。学校における食育につきましても,栄養教諭や学校栄養職員等を中心に,学級担任やその他の教員と連絡して取り組んでおります。
    ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 教育長がお答えになったとおりに学校給食は教育の一環ですから,調理現場との連携が,またチームワークが大変重要になってきています。民間委託によって,十分な連携がとれなくなる,また関係が後退するようなことがあれば食育の質にも影響してくると思います。この点について国の見解が出ていますので,お聞きします。 ことしの3月,国会の文部科学委員会で日本共産党の宮本岳志議員が学校給食民間委託問題を取り上げ,全国で学校給食の民間委託が行革推進の中で進められているが,公共サービスがどうあるべきか,一人一人の子供たちの育ちはどうあるべきか,食育とはどうあるべきかという観点よりも,まさに削るための観点でできていると指摘しました。その質問に対し川端大臣は,効率的,また効果的に行政を運営する考えが間違っているわけではないが,優先順位でいえば効率化を求めるために食育が犠牲を強いられるようなことがあってはならない,そのことが大原則でありますと答弁しました。この質疑,大臣の答弁に対して教育長の認識をお聞かせください。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 大臣の学校給食が本来の目的等を損ねてまで効率化を行ってはならないという内容につきましては,私も同感でございます。 なお,学校給食調理業務の民間委託に対しましては,昭和61年1月に当時の文部省から,学校給食業務の運営の合理化についてという通知がございました。この通知におきまして,民間委託を行う場合は,献立の作成に当たっては設置者が直接責任を持って実施すべきものである。物資の購入,衛生,安全の確保については,設置者の意向を十分反映できるように管理体制を設けること。受託者の選定に当たっては,学校給食の趣旨を十分理解し,円滑な実施に協力するものであるという確認を行って行うことというふうにされておりまして,給食の質の低下を招かないように留意することが記載されておりまして,高知市教育委員会もこの通知に基づいて民間委託を行っているところでございます。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 国と同じ認識だということが確認できました。 では,学校給食でなぜ民間委託が必要なのかという質問に対し,市長も教育長も,潮江東小学校の民間委託試行実施に当たって,答弁の中で,食の安全性の確保やアレルギー児童への対応,食育,地産地消の取り組みに留意するとともに,業務基準は仕様書での対応とし,偽装請負問題にも留意しなければならないと考えておりますと,また食育の質も落とさないと答弁をしてきました。簡単に言えば,民間委託による課題,問題点はあるけれど,クリアできるものと考えているということです。 しかし,民間委託の試行実施の中で,人件費の抑制と引きかえに食育の後退につながる新たな問題が生まれています。例えば,法的な問題として偽装請負がありますので,お聞きします。 この間も市長は,公務労働の現場で偽装請負はあってはならないと答弁しました。教育委員会も同じ見解だと思いますが,そこであってはならない偽装請負が学校現場だからこそ起きてしまう,避けられない問題だという認識がどうあるかも,委託する上では当然問われることです。 そこで伺いますが,民間委託において一般的に偽装請負がなぜいけないことなのか,どうなれば偽装請負となるのか,また及ぼす影響についても認識をお聞かせください。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 偽装請負とは,契約上で請負という形式はとっているけれども,その実態は労働者の委託元の管理下に常駐させ,委託元の指揮命令のもとに業務をさせる行為ということでございます。その影響につきましては,偽装請負において労働者は実際に命令を下す委託元と直接に労働契約を行っていないために事業主責任の所在があいまいになり,保険や就業規則,賃金規定等の労働条件において劣悪な環境での労働を強いられる可能性があることが考えられます。 以上でございます。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 教育長の答弁のとおり,労働者に及ぼす影響がこの間の問題で取り上げられ,この法律ができました。言われるとおり,労働者への指示は受託した業者しかできないというのがこの法のたてりです。食育の推進のために,学校給食は調理現場の職員と学校側の連携が答弁のとおり必要とされますから,指示が飛び交うのは当たり前です。 しかし,そうなると偽装請負になりますので,教育委員会は偽装請負にならないようにするために,契約書の中で仕様書というものを設け,それに従い本委託業務を完了するようにしていると説明をしてきました。ここで言う仕様書とは,請負業者の労働者に対し市の職員から直接指示ができないので,あらかじめ業務日数や業務計画,緊急時対応などの基本的な基準が書かれたものです。 しかし,この仕様書の中身が問題なんです。法律では,そもそも委託というのは,請け負った業者が自己の業務として相手側から独立して処理しなければならないということになっていますので,仕事の手順や方法,労働者の要件など細かな指示があれば,その時点で違法となります。また,その指示が口頭であっても,仕様書であっても,偽装請負と判断されることになっています。 実際に,埼玉県鳩ケ谷市は昨年7月,埼玉労働局から厚生労働省告示第37号に違反するとして,実態調査も踏まえた上で是正指導がされました。では,鳩ケ谷市で何が起こったかというと,仕様書の中で事業完了報告で校長や栄養士の確認印を求めていることや従業員への研修を求めていること,健康診断の報告義務,従業員の資格要件,配置について,また従事者の異動,交代の決定,機材の使用についての双務契約,調理業務作業基準について,この7項目が問題だとされました。それで,鳩ケ谷市は問題箇所を契約書から削除し,正しい委託の姿,丸投げにしてしまったわけですが,これでは教育としての学校給食に責任が持てません。それで出てきたのが,さきに紹介しました大臣の答弁です。 そこで,高知市が株式会社メフォスと交わした仕様書はどうなっているか調べてみました。まず,事業完了報告では,鳩ケ谷市と同じく校長と栄養士の印が必要となっていますし,従業員の研修の実施の点でも,研修計画の提出まで求めていたり,健康診断の報告義務も同じく指示しています。また,従業員の資格要件についても,学校給食調理業務に従事する者として,専門知識を有し,経験がある者を配置することと書いています。 市が交わした仕様書は,埼玉労働局が問題とした項目と同じ内容があるということに間違いがないか確認をいたします。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 鳩ケ谷市の業務委託の仕様書と高知市の仕様書がどうなのかという御質問をいただきましたが,委託業務の仕様書ですので,表現が大変似通ったところはたくさんございます。 しかしながら,本市の事業完了報告書の確認印,あるいは事業者の研修と健康診断の報告につきましては,受け付けた,あるいは確認したの意味で行っているものでございまして,実施を義務づけているものではございません。また,従事者の資格要件,配置につきましては,業務責任者及び副責任者が調理の基本を理解していることが必要であるため資格要件を求めておりますが,その他の従事者の資格や配置につきましては指定をいたしておりません。 以上でございます。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 学校長と栄養士の印が必要になっていると指摘をしましたけれども,義務ではないということですが,実際に業務完了報告書というこういう日報が委託した業者から教育委員会のほうに毎日報告をされることになっています。教育長は義務でないと言いますけれども,実際この日報の用紙には栄養士の印,校長の印を押すように,こういう様式になっているわけです。義務ではないと言いますけれども,実際は義務になっているので,そこを認識していただきたいんですが,これはどう見ても仕様書上は判こが要るという様式ですよね。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 先ほども言いましたように,報告については,それを受け付けた,そして確認したという意味で行っているわけでございまして,それを義務づけているというわけではございません。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 私は,どうしてもそれは必要があってそういう様式の中で印を求めているので,義務に値すると思います。私は,この仕様書自体にも問題があるということは明確だと思います。 次に行きたいと思います。 現場の実態でも問題がありますので,伺います。 7月14日,潮江東小学校での民間委託の現場を市議4人で視察に行きました。調理現場と子供たちの配ぜん現場を見学していた際に,ある学年の一クラスがメロンを教室へ運ぶ途中ひっくり返してしまい,食べられなくなったと調理室に戻ってきました。報告を聞いたメフォスの調理員さんは,栄養士の方にどうしましょうかと指示を仰ぎ,栄養士は調理室に向かって大きな声で,新しいまないたと包丁を出して隣のクラスのメロンを半分切って出してくださいと指示をしました。その指示のとおり調理が行われました。 子供がこぼしたりして対応を求められることは日常的にあることですと校長先生も話されていましたが,運ぶこと,また配ぜんの体験も含めて教育です。今回のように現場には日常的に臨機応変な対応が求められ,連係プレーこそ必要になります。このことが,委託している場合は偽装請負となります。 7月14日の件に関して,現場には教育委員会の職員もいたわけですから,この事実に間違いないか,また現場の対応は間違っていなかったとの認識なのかお答えください。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 御指摘の事案につきましては,教育委員会が学校に対して調査しましたところによりますと,メロンを落とした子供から相談された業務責任者が,学校栄養職員にどうしましょうかと言って相談したことで,残ったメロンを細かく分けて提供することを2人で話し合い,合意したところでございます。その上で,業務責任者は,調理場内の従事者に残りのメロンがあるかというふうに尋ね,確認をいたしました。学校栄養職員は,その時間帯に調理場にいた業務副責任者に対して包丁とまないたを準備することというふうに指示をしたということでございます。したがって,御指摘の内容であります個々の調理従業員に向かって具体的な作業指示が行われたということではございません。 今回の学校栄養職員の対応は,事業者の業務責任者との間で対応を協議し,学校長の了承の上で,業務責任者の指揮に基づいて追加の業務を完了させておりますので,問題は何らなかったと判断いたしております。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 日常的に起こる件について,相談をして答えたので問題がないという認識だと思うんですけれども,日常的に起こる業務なら,それも偽装請負でいう指示に当たるわけです。 それと,大きな問題が1つあるのは,栄養士の方は個々の調理員に指示はしてないと言いましたけれども,私はその現場におりましたので見ました。調理室に向かって大きな声で指示を出したわけです。個々に指示をする,また管理者と話をするということであれば,大きな声を出して調理室に向かって話す必要はないと思うんです。 教育長が言うのはあくまでも主観的な栄養士側の立場で,そういうふうにしたつもりだということだと思うんですが,客観的な事実としては,大きな声を出して調理室に向かって指示を出したというのがここで答弁するべき状況ではないでしょうか。再度伺います。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 学校栄養職員が指示を出した相手というのは,大きな声で言ったかもしれませんが,調理場内におった従業員は,これは副責任者であります。要は,いろんな形で学校の栄養職員がメフォスに対して指示をするときには責任者か副責任者を通して指示を出すというのが,これが通常の指示の出し方であります。確かに大きな声で言ったということは,ほかの従事者も聞いたかもしれない。だけど,副責任者にその指示をしたということを私は聞いております。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 当然,大きな声ですから,客観的に見れば普通の調理員さんも指示を受けたということに間違いはないと思いますので,そこは認識,またきちんと報告をしていただきたいと思います。 この問題で法律違反の偽装請負となるという認識がないようです。今回のケースを例にして考えてほしいのですが,子供がメロンをこぼしたとします。例えば,偽装請負を避けるため,法律を守って請負業者が独自に判断し対応しました。けれども,請負業者は床に落ちたメロンを洗って出して構わないと判断した場合,これはいいと思いますか,どうしますか,教育長の所見をお聞きします。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 学校調理業務を請け負っている業者が,例えば落ちたものを洗って出したらいいというふうにはプロとしてどうなのかなという思いはあります。 今回の場合はそうではなくて,メフォスの従業員が予備で持っているメロンと,そして落ちたときに無事だったメロン,それを合わせて等分して子供たちに提供するということが,要はメフォスの職員と栄養職員との間で合意がなされて,そういうことにしましょうということになったと私は理解しております。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 当然床に落ちたものを洗って出すということはよくないと教育長も言われましたが,そのとおりだと思います。しかし,そのだめだということを指示が出せない,口に出せないというのがこの委託の問題点です。そんな現場でいいものができるとも思えませんし,多くの保護者がこの問題点を知らないというのが実態です。保護者が民間委託を問題ないと思っていると教育委員会は認識しているようですが,余りにも一面的な評価で,実態からは誤りだと思います。仕様書を見ても,現場の実態を見ても,明らかに偽装請負だと思います。 当然法的な問題として労働局の見解を聞く必要があると思いますが,御所見をお聞かせください。もし既に労働局から調査が入っている,入る予定があれば,経過も含めて報告をしてください。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) この件につきまして,法的には私ども問題はないというふうに判断はしておるんですけれども,高知労働局の定期調査の予定がございますので,この件も含めて指導を仰ぎたいというふうに考えております。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 労働局のほうから調査が入るという事実がわかりましたけれども,定期調査ということですが,どんな内容で,どういった定期的に行われる調査なのか,それも報告をお願いします。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 定期調査は,要は潮江東小学校に行って現地調査を行うという内容でございます。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 教育長は定期と言いましたけれども,定期ではないと思います。直営であれば労働局が入ることはありませんので,試行だからこそ労働局が入ったので,これは定期の調査ではなく,あくまでもそういう偽装請負も含めた問題があるという認識のもとで労働局は動いていると思います。定期ではないと思いますが,その点はどうでしょうか。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 労働局のほうからは,はっきり定期調査として潮江東小学校に入るというふうに聞いておりますので,それ以上のことは申し上げられません。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 調査はしっかり受けていただきたいと思います。 学校というのは,教員や養護教員,事務員,用務員,また給食調理員,そういった皆さんが連携したり共同作業をすることが求められる現場です。そもそも民間委託は合わないものだと思いますが,そういった問題が全国で広がっております。 1つ例を紹介したいと思います。8月4日付の朝日新聞の朝刊のトップ,1面に出ました。英語助手の先生が授業協力したら違法,契約をめぐり現場混乱という記事です。 何があったかというと,英語の授業で外国語指導の助手を業務委託したところ,教室でALTの先生,これは助手業務をしている先生のことですが,ALTの先生が日本人の先生と協力して授業に取り組むと偽装請負になると労働局の指摘を受け,ALTの先生と日本人の先生が教室の中で言葉を交わさないという奇妙な授業風景になっているという記事です。日本人の先生は,助け船を出したくても出せないと話しております。子供たちに対しては,先生じゃなくてALTの先生に言ってと伝えるが,子供たちは混乱するばかりで,ルール違反を承知で通訳をして一緒に授業を進めるしかなかったと言いました。 ALT委託問題で授業をストップさせた今回の千葉県柏市,また学校用務員さんを委託した栃木県茂木町も労働局から偽装請負の指摘を受け,結局直接雇用する方針へ見直しが行われました。茂木町長は,偽装請負という認識がなかった。雇用情勢の悪化の中で,よりよい環境をつくるべきだと判断したと直接雇用に戻した理由を話されています。 民間委託そのものが学校現場にはそぐわないという認識があるのか,教育長に伺います。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 何度も言っているんですけれども,本市における給食の民間委託につきましては,献立の作成や給食物資の調達等につきましては教育委員会が責任を持って携わっており,調理業務のみを委託しているものでございます。よって,食育を含めた教育活動に影響があるものというふうには考えておりません。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 手法として民間委託ができるできないということを聞きたかったわけではなくて,民間委託というそのものが学校現場にはそぐわないということについて聞いたわけですが,認識がないということで,ここは大きな問題なので後でまた問いたいと思います。 次に,民間委託のコスト削減という点で伺います。 今回の給食調理民間委託の発端は,行財政改革の経費削減,人減らしの一つに始まったわけですが,まず事実確認をしておきます。 平成20年3月に新定員適正化計画が示され,退職者不補充という基本方針の中で,本来正規の職員として配置しなくてはならない人員も給与の安い臨時職員に置きかえるなどして,かなり人件費を削ってきたと思いますが,新定員適正化計画が始まってから調理現場において正職員の欠員補充を臨時職員に置きかえている割合がどうなってきたのか。また,そのことで人件費がどれだけ削減されてきたのかお示しください。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 新定員適正化計画スタートの平成20年の学校給食調理員の定員は133名でございました。教育委員会としては,退職者不補充の方針に基づきまして,給食調理員の定年退職者の補充については,再任用職員の配置と臨時職員の雇用で対応してまいりました。そのうち雇用しました臨時職員の数は,20年度が19名,21年度が22名,22年度が24名でございます。 次に,その臨時職員と正職員の人件費の比較でございますが,平成20年度高知市人事行政の運営等の状況において公表されております学校給食調理員の平均給料などをベースに算出しましたところ,正職員は1人当たり給与と手当,共済費が約600万円,同じく臨時職員は約164万円,差し引きますと1人当たり436万円の違いとなります。この額をもとに削減額を計算いたしますと,計画スタートの20年度と本年度では臨時職員が5名ふえておりますので,2,180万円となります。なお,本年度の雇用24名分を計算いたしますと,1億464万円ということになろうかと思います。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 比較がちょっとわかりにくかったですけれども,臨時職員がふえてきております。そのことによって人件費が減るということはわかりました。民間委託をしなくても,既に人件費の削減が行われてきたことがわかります。多少の新規採用を行っていると言いますけれども,現実には正職員が欠員なしに配置はされておりませんし,臨時職員を補う形という運営が継続をされております。 そこで伺いますが,直営のままでも人件費は減ってきましたし,これからも減っていくというこの点に間違いがないか確認をします。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 臨時職員の雇用をそのまま継続した場合は,議員さんの御指摘のとおり,経費はさらに削減すると思います。 ただ,臨時職員の雇用という方法には課題がございます。地方公務員法により雇用期間が1年の制限がございまして長期的な雇用が困難なこと,2つ目は,調理現場から今でも雇用期間の途中でやめる方もいるなど運営等に支障がございまして,欠員対応の臨時職員の配置については改善してほしいというふうな声もございます。 そもそも新定員適正化計画につきましては,将来にわたっての健全な行財政運営の確立を目的とした第2次,第3次の行政改革実施計画に基づきますアウトソーシング推進計画を車の両輪として計画されたものというふうに考えております。教育委員会としましては,その適正化計画の実施方法として,給食調理員の定年退職者のかわりに臨時職員を雇用するという方法ではなく,アウトソーシング推進計画の給食調理業務の民間委託という方法により,人員の削減とともに中長期的に経費の削減を図る考えでございます。このために臨時職員の雇用は,民間委託を本格的に実施していくまでの過渡期の対応というふうに考えております。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) ことしの4月からは,新規採用の調理員さんなど現業職の給与基準が行政職二表となりましたので,新規採用という中でも人件費は減るということは当然です。直営であっても人件費が減るということは明らかだと思います。 どうしてお聞きしたかというと,民間委託導入に当たって安くなると説明した以上は,本来こういったコストについてもきちんと検証されるべきだからです。 しかし,試行検証委員会の報告書を見てもコストについては詳しく出てきていませんので,今回債務負担行為として議案提案されております潮江東小学校の委託契約で比較をしてみました。教育委員会の議案説明では,契約期間5年間で,委託の限度額は8,500万円,1年間にすると1,700万円です。内訳は,人件費,保健衛生費,現場経費ですが,民間委託で影響が出るのは人件費部分ですので,直営との比較を教育委員会に聞きました。差額が5年間トータルで2,250万円,1年間では約450万円も安くなるとの説明でした。 そこで,教育委員会が示している直営の人件費の積算根拠について伺います。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) まず,正職員の人件費につきましては,公表されております高知市人事行政の運営等の状況の平成20年度の学校給食調理員に係る1人当たりの平均給料,手当,賞与をもとにしております。そして,それらをもとに共済費の事業主負担分を算出しております。また,職員には年次有給休暇等が認められておりますので,その休暇の取得時には代替職員を配置しております。この賃金についても必要経費として加算しております。以上の経費を合算したものに正職員の人数を掛けて算出しております。 次に,臨時職員の人件費につきましては,賃金日額に給食実施日数を掛けたものに給与と社会保険料の事業主負担分を加え,さらに臨時職員も年次有給休暇等が認められておりますので,先ほど申し上げました休暇取得時の代替職員の配置に要します賃金を加え,合算したものを1人当たりの人件費としております。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 先ほどの説明の中でも平均給与という言葉が,議会でも,また説明の中でも繰り返し使われてきました。それだけではわかりませんので,例えば個々の給与実績を積み上げして人数で割って出したのか,平均年齢の基本給で人数を掛けて出したのか,また先ほど言われましたが,臨時職員の給与の扱い方によっても出てくる平均給与という額は変わってきますので,詳しく説明をお願いします。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 委託が1校のみでございましたら,議員さんの御指摘のように,委託実施校の実績額で比較するところでございます。委託の実施予定施設は17施設でございますが,これらの施設すべてを同一年度に委託するわけではございません。また,職員の人事異動もございます。こうしたことから,学校ごとの実績額ではなくて,学校給食調理員の平均給与等をもとに比較したものでございます。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 教育委員会の比較の積算根拠を説明いただきましたけれども,ここに2種類の積算根拠を示した資料があります。9月7日の時点で出した人件費の積算と9月10日に出した人件費の積算は,全然違っておりまして,年間450万円安くなると言っておりましたけれども,9月10日のこの資料では安くなる額は年間360万円です。議案説明で行った話と出てきている資料で90万円も差が出るということは,私はコストを比較する土台で大きな問題があると思います。 この事実に間違いないか。また,どういう積算を今後していくのかお聞かせください。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 今の資料が私の手元にございませんので,ちょっとその内容については,もしお構いなければ後日お話しさせていただきたいと思います。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) この資料は学事課から正式に出された資料ですので,こういった根拠が違う,人件費が事あるごとに変わってくるということではまともなコスト比較はできません。民間委託は安くなるという以上は,直営の範囲でもコスト削減の余地があるのか,コストだけを見てもいろんな角度からの検証がされる必要があったと思います。 どうしてこの点で質問したかといいますと,2008年の行財政改革特別委員会で潮江東小学校の直営当時の人件費について質疑がありました。正職員が3人,臨時職員が1人の合計は1,839万円ではないかという田鍋委員の質問に対し,当時の吉川教育長は正しいとも違うとも言わず,御理解くださいとしか言っていないのです。大事なところがここでも明確になっておりません。もし経費が年間1,839万円だったとすれば,今回の債務負担行為の額と比較すると安くなる差額は年間139万円で,5年間にしても695万円しか安くなりません。議案の説明ともここでも大きく違ってきます。 このように,この間教育委員会は,このコストの問題で人件費については本当にあいまいな答弁しかしておりません。それでは私は十分な検証ができたとは言えないと思います。直営であっても,今後若い職員にかわれば人件費は当然低くなりますし,また行政職二表での計算も今後入ってきます。臨時職員の配置ぐあいでも変わります。今後の経費の検討,比較ですから,当然そうしたことも前提にするべきではないかと思いますが,そうした試算や検証が行われたのか,行っていくのか,決意も含めてお聞きします。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 議員さんの御意見のとおり,さまざまな角度から検証はしていかなければならないし,大切なことだというふうに考えております。教育委員会といたしましては,先ほど申し上げました考え方から,職員の平均給与の実績をもとに学校ごとの比較,検証を行っているものでございまして,これから先もそういった形でその検証もしっかりやっていきたいというふうに考えておりますので,どうぞ御理解をお願いしたいと思います。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 説明しましたように,直営の状態でも丁寧に分析をすれば,正職員の配置割合,年齢構成,そういったところを工夫すれば民間委託とそうは変わらない経費で直営も堅持できる,そういった可能性が十分に考えられます。偽装請負の問題でも,コストの問題でも,詳細な検証が今回なされているとは思えませんし,検証委員会のメンバーに法的な問題がわかる専門家が入っていないことも十分な検討ができていない原因ではないでしょうか。ましてや県外業者への委託は,地域経済の面でマイナスはあってもプラスになることはないと思います。民間委託を1校から17施設へと拡大する,そういったことを決めるに値しない検証の実態,判断だと思います。 このように問題がある状態では,民間委託の拡大は一たんストップし,せめて検証メンバーの構成の見直しも含め改める必要があると思いますが,御所見をお聞かせください。 ○議長(水口晴雄君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 先ほども申し上げましたように,このたびの学校給食調理業務の民間委託は,本市の行財政改革の取り組みの中で進められているわけでございます。その流れの中で,教育委員会といたしましては,これまで子供の口に入る食の安全にかかわって,保護者の方々の安心を得るために丁寧な対応に努めてきたところでございます。 丁寧な対応といいましても,やはり本市での学校給食調理業務の民間委託は初めてのことでございます。議員さんから御指摘のありました給食調理場での偽装請負とも受け取られかねない事例もあったかもしれませんが,労働局を初め関係機関の御指導もいただきながら,今後も慎重に民間委託を実施してまいりたいと考えておりますので,どうかよろしくお願いいたします。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 教育委員会はこの方針を進めるという答弁でしたけれども,他都市では,こういう状況の中,どういう判断をしているかと紹介しますと,民間委託が必ずしもコスト削減につながらない,そういう認識が広がる中で,東京都八王子市は調理の民間委託の試行後に再協議を行い,直営を継続すると決定をしました。ほかには,民間委託をするという方針は変えないが,問題点が見つかったので当面委託は見送るという判断をした自治体もあります。 犠牲を受けるのは子供たちであり,現場の労働者の皆さんですので,この点をしっかり考えていただきたいと,また進めることは許されないことだとこの状況では思います。 一番言いたかったのは,学校という現場に民間委託そのものがなじまないということです。今回,学校調理部門の委託を問題にしましたけれども,先ほど紹介したように外国語助手や学校用務員さんなどの委託も広がっております。調理分野にとどまらない状況になっております。現場に混乱を持ち込み,食育の質どころか教育そのものの質を後退させる,そういった危険性があるわけです。子供たちにとっては本当に最悪なことです。教育委員会は,教育現場を応援することこそが本来の役割で,現場や子供たちを最優先に考えるべきではないでしょうか。教育現場において民間委託はそぐわない,やめるべきだということを強く訴えておきたいと思います。 次のテーマに移ります。 次に,公契約条例の制定にかかわって質問をいたします。 経費削減を進める中で,市が税金で発注するすべてのものでコスト削減が行われております。公共工事だけではなく,アウトソーシングによる契約でも入札によって価格競争が激しくなっています。検討委員会ができた背景には,こういった価格競争によって,市の業務を請け負った労働者の賃金にまでしわ寄せが行き,市の業務を請け負う労働者が生活保護基準以下の暮らしを送るという官製ワーキングプアが生まれている問題が大きくなってきたからだと思います。 ことしの5月から入札契約制度検討委員会が開かれ,ことしの11月には検討委員会からの答申が市長に出される予定となっています。そして,平成22年度末には高知市入札契約制度基本方針が策定されるスケジュールで,内容は,高知市が発注する建設工事,建設コンサルタント業務,物品購入,また指定管理を含む業務委託を対象にしています。公正性,透明性のある入札を目指すとなっています。 そこで,制度改善の中身がどうなっていくのかが問われてきます。この間,公契約条例の制定の必要性を質問してくる中で,岡崎市長も議会で官製ワーキングプアが生まれるようなことがあってはならないと答弁してきました。このことはすごく大事なことで,今回の検討委員会の中でも現場の労働者の処遇もしっかり検討し,仕組みとしても官製ワーキングプアを生まないものにする必要があると思います。 今回,高知市入札契約制度基本方針の策定を目指すとした目的はどこにあるのか,御所見をお聞かせください。 ○議長(水口晴雄君) 中澤総務部長。 ◎総務部長(中澤慎二君) これまで本市では,建設工事における一般競争入札の拡大や最低制限価格の引き上げ,随意契約ガイドラインの策定などによりまして,入札,契約手続における公平,公正,透明性の確保に取り組んできたところでございますが,今後も効率的な行財政運営を進めていくことが求められる中で,適正な価格による競争,品質,履行の確保などが課題となっているところであります。 さらには,地元企業の受注機会の確保と拡大や,先ほど御質問にもございました労働者の方々の雇用環境保護,障害者雇用,環境保護対策など,さまざまな社会的要請を政策的に反映できる入札契約制度を確立していくことが喫緊の課題となっており,そうした課題に対して本市が取り組むべき方向性を明確にするために,本年度末をめどに入札契約制度基本方針の策定に取り組んでいるところでございます。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) そういった目的の中で,検討委員会も2回目が済んだと思いますが,議論の進捗状況とその特徴はどうなっているか,認識をお聞かせください。 ○議長(水口晴雄君) 中澤総務部長。 ◎総務部長(中澤慎二君) 検討委員会では,公平,公正,透明性の高い入札契約制度の確立,品質と適正な履行の確保,地域経済の活性化と市民の雇用環境安定の確立の3つの項目に関する諸課題について御検討いただくこととしておりまして,これまで工事における一般競争入札の拡大や業務委託の予定価格の積算根拠の統一など,主に入札契約制度の適正化や品質と履行の確保に関する御意見をいただいてまいりました。 本検討委員会の大きな課題でもあります地域経済の活性化と市民の雇用環境安定の確立につきましては,地元企業への優先発注と競争性の確保や雇用環境保護への具体的な施策等について,次回3回目以降から御検討願うこととなっておりまして,委員の皆様にさまざまな視点から御意見を賜ってまいりたいと考えております。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) いろんな角度から検討,議論されていると思います。2回目の検討委員会の議事録を読みました。特に私が特徴的だと思ったのは,各委員さんから,労働者の皆さん,現場で働く皆さんの賃金がどうあるべきか,その賃金をどういうふうに確保していくのかというのがこの委員会で大きく取り上げられていると思います。部長の答弁にありましたように,公正な,また透明性のある契約,入札というのも大事ですけれども,同等に市長が言われたワーキングプアを生まないという考え方が重要になってくると思います。他都市でも,労働者の賃金をどう適正に担保していくか,そういったところが争点になっています。 そこで,賃金確保のあり方について伺いたいと思います。 例えば,公共工事の場合ですが,市が予定価格を算出する際,設計労務単価を目安にしていると思います。しかし,現実は,技術職でありながら最低賃金法さえ守られていればいいという基準しかない状況です。税金で行う工事ですから,当然賃金まで確保されるべきと考えます。例えば,国分寺市は,公契約条例という名前ではないですが,公共調達条例の提案を12月議会に向けて進めていると聞きました。また,条例化を既に実現しました千葉県野田市でも,議論の中で賃金確保についてはいろんな苦労があったように見受けます。 そこで伺いますが,賃金確保の点で国分寺市や野田市のように取り組みを進めている自治体での考え方,また仕組みづくりについて市はどう把握をされているのか,認識もあわせてお聞かせください。 ○議長(水口晴雄君) 中澤総務部長。 ◎総務部長(中澤慎二君) 昨年制定された野田市の公契約条例は,前文に豊かな地域社会の実現と労働者の適正な労働条件が確保されることとうたわれておりまして,野田市の公契約に係る受注者や下請業者に市長が別に定める賃金の支払いを義務づけております。また,同様に現在公共調達条例の素案を示してパブリックコメントを実施しております国分寺市におきましても,適正な労働条件と賃金水準を確保するため,野田市と同様に一定金額以上の工事や業務委託には,規則等で定める賃金以上の支払いを義務づける内容となっております。 しかしながら,野田市の公契約条例の前文には,豊かな地域社会の実現と労働者の適正な労働条件の確保については一つの自治体で解決できるものではなく,国が公契約に関する法律の整備の重要性を認識し,速やかに必要な措置を講ずることが不可欠であるというふうにも規定されておりますように,中核市では昨年の尼崎市に続き,本年6月に前橋市で,労働者の賃金や労働条件などの指導監督権は労働局や労働基準監督署にあり,市が条例で規定するのは問題であるとして議員提案されました公契約条例が否決されるなど,地方自治体が発注者としてその内容に踏み込んでいくことには,本市としてこれから整理してまいらなければならない課題もあるというふうに認識はいたしております。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 国分寺市は,条例案の中に設計労務単価を市長が決める最低賃金とするということをうたっておりますし,実際条例が実施されている野田市でも,工事また製造に請け負う場合は公共工事の設計労務単価を基準にする。また,製造工事以外の請負契約については,野田市の一般職員の給与に値するものとするという中身になっております。 そこで,言われました理念や目的が担保される仕組みというものにならなくてはいけませんけれども,建設工事において見ると独特の重層下請の構造を持っておりますので,公共工事の場合は2次,3次,4次など下請までの実態を把握するという力が行政になくてはならないと思います。効果あるものにする必要があると思いますので,そういった先進地をどうやって調査し,また情報開示の義務やチェック体制を高知市はどういうふうに設けていくのか,その状況把握と,また今後の取り組みについての認識もお聞かせください。 ○議長(水口晴雄君) 中澤総務部長。 ◎総務部長(中澤慎二君) 野田市の公契約条例におきましては,適用労働者から受注者等が労働者に対して負担すべき義務を履行しないことについての申し出があったときは,受注者等に必要な報告を求めたり立入検査ができることとされており,違反が認められる場合は是正措置命令や契約の解除,業者名の公表などが規定されており,平成22年度分の契約から適用することとなっています。 また,国分寺市の場合は,市が公共調達に従事する労働者に支払われた賃金が賃金台帳に合致しているかどうかの確認等の調査を行うことを定めておりまして,野田市と同様に,是正措置,契約の解除,業者名の公表なども規定されています。 また,本年度公契約条例の制定を目指しております川崎市では,条例が適用される契約,労働者等の範囲,条例施行後の担当部局の体制,履行確認の方法などが条例制定へ向けての現在課題であるとなっておりまして,どの自治体も実態把握のための具体的な制度運用はこれからという状況でございますので,本市といたしましてもこうした先進自治体の状況をしっかりと見きわめてまいりたいと考えております。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) もう時間がありませんので,市長に伺いたいと思います。 現場で働く労働者の皆さんは,下請となれば文句があっても苦しくても物が言えない,それが下請構造の特徴です。労働者が,人間が,コンクリート資材と同じように扱われていいわけがありません。市長が言うように官製ワーキングプアは生まないという考えのもと,賃金確保の問題でもしっかりと今後の基本方針の中で発展させていく決意をお聞きします。 ○議長(水口晴雄君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々御質問,また総務部長の答弁でもございましたが,基本的にはやはり国の法令とか政令のもとで,いろんな労働者のさまざまな権利と地位が守られていくべきというのがまず本筋だというふうには考えております。 それとともに,労働者の方々の賃金や労働条件を適正にある意味我々も確保していくということも,行政として取り組んでいかなければならないと考えておりますので,現在検討委員会を行いまして,この部分でもさまざまな御論議をいただいておりますが,その御意見をいただきながら,まずは基本方針を策定しまして,適正価格での発注や,公正な,公平な労働条件の促進ということを私たちも次のステップとして考えていかなければならないというふうに考えております。そのためには先進事例をさらに研究してまいりたいと考えております。 ○議長(水口晴雄君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) いろんな問題点が明らかになりましたので,徹底して議論,また検証していただきますことを強く要望しまして,すべての質問を終わります。ありがとうございました。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(水口晴雄君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ延会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(水口晴雄君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて延会することに決定いたしました。 9月15日午前10時再開いたします。 本日はこれにて延会いたします。  午後4時1分延会...